西安外国語大学における日本語教育

 

 

 西安外国語大学は、中国西北地区唯一の外国語大学である。日本語は、アラビア語、韓国語とともに、東方言語文化学院に属している(近い将来、日本語系(日本語学科)として独立する計画があるようだ)。

 キャンパスは、市街地に位置するキャンパスと郊外に新設された新キャンパスに分かれている。旧キャンパスでは成人や留学希望者が学び、新キャンパスは正規生(学部生、大学院生)が学ぶ。新キャンパスは、文教地区として開発された広大な土地に建てられており、周辺には他の大学の新キャンパスの他は何もない。図書館の他、体育施設、食堂、寮、商店、カラオケルームなどをキャンパス内に有しており、学生は学内のみで生活が成り立ち、勉学に集中できる環境が整っている。図書館は、所蔵図書が貧弱であることを教員の方々が嘆いておられたが、多くの学生が自習室として活用している。

 現在、約千人が日本語を学んでいる。増加傾向にあり、1学年のクラス数も年々増えている。今年度の1年生は30人クラスが9クラスある。クラス単位で時間割が組まれており、教室も固定している(それぞれの教室に日本語で標語が掲げられている)。卒業までクラスが固定しており、留学から帰国した学生も、自分の所属するクラスに戻る(そのため、帰国後授業を軽視する学生も出て来てしまうという問題を抱えている。レベル別のクラス編成へ移行させたいが、様々な課題があり、実現が難しいということである)。1年生の日本語授業は、精読5コマ、会話・リスニング3コマ(1コマは100分授業(休憩10分を挟む2部構成))からなる。3年生、4年生になると授業数が減り、4年生は卒業論文に専念する。卒業論文のテーマは、日本語の文法に関するものから、文学作品、企業文化、オタク文化に関するものまで非常に幅が広い。

 名古屋外国語大学、北陸大学、鈴鹿国際大学などと交流関係がある。毎年スピーチ大会が開催されており、交流関係にある大学の教員を審査員に招いている。また、北陸大学との間には、「2・2プログラム」を持つ。これは、1、2年生を西安外国語大学で、3、4年生を北陸大学で学び、両大学の卒業資格を得ることができるものである(しかしながら、今年度はビザの受給率が非常に低く、継続が危ぶまれるとのことである)。

 教員は約40名が在籍しており、そのうち約10名は現在日本留学(休職)中である。中国人教師は全員が留学経験者であり、そのほとんどが西安外国語大学出身者である(中国西北地区の日本語教師の多くを西安外国語大学出身者が占める)。日本人教師は、6名が在籍しており、高校教師退職者、大学院生等その背景は様々である。

 卒業後上海、北京、大連といった沿海地区の大都市で日本企業に就職することを希望する学生も多い。日本企業からビジネス日本語のできる人材が求められていることもあり、今後はそのようなニーズに応えていくためのプロジェクトの立ち上げが計画されている。そのため、ビジネス日本語を教えることのできる人材の確保が課題となっているとのことである。

 

 

報告者:鷲見幸美