本年度のプログラム実施にあたって、参考とするため、過去にAET夏季実習を受講し、現在に名古屋に在住している学習者にアンケートを行った。アンケートの概要は以下の通りである。
実施日:2002年6月17日
実施場所:名古屋市教育センター分館(教育館)
被験者:名古屋市で働くAET17人
所要時間:10分前後(終わった人から退出してもらった)
アンケートの結果
1. 日本に来てから、どのような場面で日本語をつかいますか
▼□レストランで(25)
□注文(25) □メニューについて質問する (20)
□その他(10)
ex. 高いと文句を言う/道をきく/何が入っているかきく
▼□乗り物(26)
□地下鉄(16) □電車(23) □バス(18) □タクシー(23)□その他(1)
ex.タクシーで行き先を言う/電車の行き先を聞く
▼□電話をかける−誰に(22)
ex.友だちに/先生に/郵便局に/ビデオショップに/親戚に/
職場に/注文したものについて店にきく/ピザのデリバリー
料金の問い合わせ(電気・電話など)
▼□病院で−どのような状況で(7)
ex.病状を医者に言う/病気のとき/事故のとき/緊急事態/
▼□銀行で(20)
ex.送金/振り込み/クレジットカードを作る/口座を作る
新しい通帳をもらう/預金する
▼□郵便局で(23)
□手紙を送る(17) □口座関係(5)
□外国に送る(17) □日本国内に送る(11)
□その他(6)
ex.はがきを送る/送金/お金をおろす/書留を送る
住民税を払う/荷物/sending recorded delivery package/
▼□公的機関で(11)
ex.教育館/入管/区役所/健康診断/外国人カード/re-entry permit
▼□買い物(24)
ex.スーパー、デパート、CD屋で品物の在処をきく/洋服の
サイズをきく/配達についてきく/電子辞書をかう/コンビニ
▼□学校で−誰と、どんな状況で(24)
ex.校長/コンピューターの使い方をきく/何がどこにあるのか
きく/敬語/生徒/授業以外で/私的な場面で/英語以外の先生
教頭/普通の会話/許可をもらう/職員室/歓迎の挨拶
▼□その他(3)
ex.すべて/友達との交際
2. 仕事で誰とどのくらい日本語をつかいますか
2.1. 頻度
□always(2) □often(14) □so so (5)
□some (6) □none(0)
2.2. 状況
□英語教師と(17)
□英語以外の教師と(26)
□学生と(21)
□その他(6)〔教頭/日本人の友だちや家族/〕
3. 仕事以外で誰とどのくらいの頻度で日本語をつかいますか。
3.1. 頻度
□always(8) □often(8) □so so(6)
□some(5) □none(0)
3.2. 状況
〔すべての状況で/ホストファミリー/同僚/日本人の友だち/親戚/大家/店/レストラン/趣味/地下鉄/道をきく/初めて会う人/友人/教会/買い物/銀行/病院/旅行/パーティー/郵便局〕
4. 名古屋大学のAET日本語プログラムをうけたことがありますか。
□yes(17) □no(0)
5. いつ名古屋大学のAET日本語プログラムをうけましたか。
□~1998(1) □1999(7)
□2000(13) □2001(5)
6. どのクラスでしたか。
□class1 (入門)(10)
□class2 (初級)(5)
□class3 (中級)(9)
□class4 (上級)(4)
7. プログラムでは何を教えてほしかったですか。
〔自己紹介/簡単な文法/基本的なサバイバル日本語/敬語/漢字/useful phrases/自分が習ったもの全て/いつも日本語でやってほしい/日常生活の日本語/能力試験1級/学校や日常生活でのコミュニケーションのしかた/日本の生活についての紹介/日本人に会ったときに使える表現/レストランでの注文/道を聞く/挨拶/許可もとめ〕
8. プログラムのどの項目が役に立ちましたか。
□ひらがな(9) □漢字(8)
□教室での表現(23)
98’,99’年度の参加者
□自己紹介(3) □レストランでの注文(4)
□アパート探し(4) □道をきく(4)
□電話をかける(4)
□体の状態に関する表現(病院で)(3)
□誘いと断り(4) □感謝の表現(3)
00’年度の参加者
(入門と初級)
□自己紹介(9) □注文(9)
□買い物(6) □道をきく(9)
□電話をかける(7)
□体の状態に関する表現(8)
□誘いと断り(9) □感謝の表現(7)
(中級と上級)
□日本のポップカルチャー(4) □ディベート(3)
□日本の雑誌を読む(2)
□あげるともらう(2)
□TVドラマ(3) □尋ねる、断る、提案(2)
□名古屋方言(5)
□日本語能力検定試験の対策(4)
01’年度の参加者
(入門と初級)
□自己紹介(3) □注文(3)
□買い物(2) □道をきく(3)
□電話をかける(2)
□体の状態に関する表現(2)
□手紙を書く(1)
(中級)
□ 上司や同僚に対する呼び方(先生、くん)(1)
□買い物(2)
□日本の習慣(贈り物)(1)
□料理の作り方(1) □電話をかける(2)
□授受表現(1) □苦情をいう(1)
□箸を使うときのマナー(1)
□ 女性にとってのトイレを使うときのマナー(1)
□ 日本の歌(1) □誘いと断り(1)
□ はがきを書く(1)
□ 縮約形(ちゃう、てる、とく、なくちゃ)(1)
9.日常生活での日本語の学習から、今年のAETにアドバイスがあれば書いてください。
〔動詞と動詞の結びつきについて勉強しよう/がんばって/〕
以上のようなアンケート結果からは、AETが普段の生活でどのような日本語の能力を必要とするか、といったことが具体的にわかって、参考になった部分は大きい。例えば、教科書で「郵便局」という場面を設定するにしても、郵便局で郵便を送るか、口座を開くか、またはお金を送るかというような目的によって、そこでの会話は変わってくる。具体的な場面の設定を、実際にAETが生活の中で使う日本語を参考にすることによって、優先的に提示することができた。また、実際にどのような人と日本語を使って会話を行うか、ということも、ダイアログの中で敬語をいれるかどうか、どのような話題を盛り込むか、といった選択をする際にも役立った。
その他にも、項目4以下では、過去に受けたAETプログラムの項目に対して、実際に名古屋で生活をしてみて、何が役に立っていたかという事後評価もしてもらった。評価の高い項目は、本年度のコースプログラムやテキスト改訂の際にも、盛り込むなどして、参考にした。