本実習(「名古屋大学夏期日本語教育実習」)は、名古屋市に新しく赴任するAET(Assistant English Teacher)を学習者とし、名古屋大学大学院生が教師を務める教育実習である。1989年、名古屋市教育委員会の協力により実現の運びとなり、本年度で13回目を数えた。
本実習の大きな特徴は以下の4点にあると考えられる。
コースの特徴 :7日間ほどの短期集中型
学習者の側の特徴 :全ての学習者の母語が英語
教材の特徴 :実習者が作成した教材を使用
実習者の側の特徴 :チームティーチングをとり、原則としてすべてのレベルの学習者に直接法で指導
これらの特徴のうち、前二つの特徴は外的な条件であり、学習者がAETであるということと、彼らのスケジュールによって必然的に決められるものである。特にスケジュールに関しては1.1.でも後述するが、8月の上旬に来日して、下旬には愛知県の各地域へと赴任して行くという日程であったため、この7日間が許される限り最長の日程であったことは述べておく。
後の二つの特徴は、実習者の側の都合により決められたものである。「当該のコースに最適な教科書とはどのようなものであるか」という問いに答えていくことは、日本語教育の学習者に不可欠なケーススタディーであり、本実習ではそのような学習の機会として、実習者が教科書の作成を行っている。なお、本年度に関しては、昨年度の『ともだち』に若干の変更を加えた。
今年度の夏期日本語教育実習は16名の学習者を、入門(ゼロ初級)、初級、中級の3クラスに分け、入門に3名、初級に2名、中級に2名の担当実習者がつくという形で行われた。期間は8月15日(木)から8月23日(金)(17日(土)と18日(日)は休日)までであった。以下、表Tにクラス編成、表Uにスケジュールを示す。
| クラス |
担当実習者 |
学習者 |
教室 |
| 入門 |
奥村・寺島・三谷 |
8名(アメリカ人5名/イギリス人2名/スコットランド人1名) |
日言文演習室 |
| 初級 |
川上・萩原 |
3名(アメリカ人2名/オーストラリア人1名) |
多元演習室 |
| 中級 |
跡部・香川 |
5名(アメリカ人2名/オーストラリア人3名) |
A会議室 |
| 1 9:30〜10:20 |
2 10:30〜11:20 |
3 11:30〜12:20 |
|
| 15(木) | オリエンテーション 授業 |
授業 |
ウエルカムパーティー |
| 16(金) | 授業 | 授業 | 授業 |
| 17(土)〜18(日)休み | |||
| 19(月) | 授業 | 授業 | 授業 |
| 20(火) | 授業 | 授業 | 授業 |
| 21(水) | 授業 | 授業 | 授業 |
| 22(木) | 授業 | 授業 | 授業 |
| 23(金) | アクティビティー | アクティビティー | フェアウェルパーティー |
#オリエンテーションは「多元演習室」。
#アクティビティーはそれぞれのクラスの教室。
#ウェルカムパーティーは「多元演習室」。フェアウェルパーティーは「A会議室」。
教育実習の準備ミーティングを5月から週一回の割合で行った他、メーリングリストを使って実習生同士の連絡をなるべく密にとるように心掛けた。本年度の実習では、初日にウェルカムパーティーを開き全員が自己紹介をした。これは実習生と学習者同士の顔合わせの場となりコースの良いスタートとなった。教科書は、入門クラスには難しく初級クラスにはやや簡単すぎ、それぞれのクラスで教科書が使いにくいという問題があった。また、中級クラスでは、文法の概説を書いた教科書が欲しいという要望もあったようである。今後、教科書をどのように授業で使用していくかについて検討していく必要がある。