春期日本語教育実習
担当:プレストン
1.目的と概要
1.1 目的
春期教育実習の目的は、実際の日本語授業で責任をもつことを経験するということである。実習では、教案を作成し、授業の教材を作り、授業を実施し、日本語教授法の実習の授業で実習生からフィードバックをもらう。この経験を通して教授法と事前準備や教室の活動に関わる様々な項目を学び、教室で生じる問題点を反省しながら自分の教授法をスキルアップさせることができる。
1.2 春期日本語集中講座の概略
名称 : 名古屋大学留学生センター2003年度春期日本語集中講座
開講期間 : 2004年2月24日〜2004年3月16日
実習クラス : 初級IIa
対象 : 名古屋大学に在籍する外国人留学生、客員研究員
学習者の出身国 : ラオス、カンボジア、インド、フィリピン、パプアニューギニア、メキシコ
登録学習者数 : 9人
使用教科書 : A
Course in Modern Japanese [Revised Edition] Vol.2、名古屋大日本語教育研究グループ名古屋大学出版会2002
2.実習の実施
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実習生 |
日時 |
担当課 |
学習項目 |
|
渡邉恵里 |
2月24日 |
L12 |
可能形 |
|
広瀬香恵 |
2月25日 |
L12 |
〜ために、〜ておく |
|
プレストンジュディ |
2月26日 |
L13 |
〜になりました、〜にしました |
|
ハイン |
2月27日 |
L13 |
Vやすい、Vにくい |
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渡邉恵里 |
3月1日 |
L14 |
連体修飾(V+Nを中心に) |
|
ハイン |
2月2日 |
L14 |
〜てしまう |
|
広瀬香恵 |
3月3日 |
L15 |
Passive、無生物主語 |
|
プレストンジュディ |
3月4日 |
L16 |
〜ている、〜てある |
|
大和祐子 |
3月5日 |
L16 |
Honorific
form お〜になる 他 |
|
田中比呂美 |
3月8日 |
L17 |
〜てくれる、〜てもらう |
|
古川智樹 |
3月9日 |
L17 |
Informal
speech (2) |
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河合由希江 |
3月10日 |
L18 |
らしい |
|
大和祐子 |
3月11日 |
L18 |
〜ようだ |
|
田中比呂美 |
3月12日 |
L19 |
Causative |
|
古川智樹 |
3月15日 |
L19 |
Causative-passive
sentence |
|
河合由希江 |
3月16日 |
L19 |
ところ(2) |
※ 「日本語教授法及び実習」の履修者のみ掲載。
3. 反省点
次年度の「日本語教授法及び実習」の授業の中で、春期実習の反省点について各自発表した。発表の際には、実習時に記録したビデオも見せた。以下ではこの授業において報告された点を中心に、授業見学、実習の準備、実習の実施の3項目について反省点や留意点などをまとめる。「日本語教授法および実習」の授業では、春期実習の反省点について発表した。そのときに、各実習生の録音した授業をみせ、授業の内容を発表する。その後、授業見学、実習の準備、実習の実施についての反省点や留意点を述べる。
3.1. 授業見学
実習生はTAの授業も他の実習生の授業も積極的に見学した。日本語授業の見学が貴重な経験となった。TAの授業を見学するときに、教授経験があるTAの教え方とコツを勉強することができた。自分の担当のTAもTAそれぞれの授業も見学することができた。また、他の実習生の授業を見学すると自分が教えるときに気づかないことが見えてくるので、TAの授業も実習生の授業も積極的に見学することは貴重な経験である。
3.2. 実習の準備
授業で絵カードを使用する時、実習コースのものも実習生が作成したものも利用した。教材や絵カードの作成、詳しい教案などの準備はたくさん時間かかるが、このように授業を実施するときに慌てず、授業そのものに全力を入れることができる。既成のものをうまく活用するのは一つの工夫である。準備の助けとしては、時間を配慮して一つの活動は実際に何分かかるかをちゃんと考えておくことである。活動の中で、もし時間が足りなくなりそうだったら、どの活動をカットするか予め考えるべきだった。
次のように、準備のときに配慮すべきところを指摘する:
・授業で配布するプリントは、そこで使用する語彙や絵などが適切であるか十分に注意する必要があった。また、プリントは自分で作成するときに、ミスがないことに注意した。
・教案を作る際に、一分ごとぐらいの計画を立てておけば、教える内容は実際にどれぐらいかかることが検討できる。また、板書に書く例を教案に詳しく書いてきた。
・プリントや板書計画についても、教案とともにTAにチェックしていただいた。
・授業で学習者からどのような質問がくるかをあらかじめ予想し、その扱い方を準備しておくべきだった。
・難しい語彙や新しい語彙は英語で何というか事前に調べておくべきだった。
・教案は、授業中にちらっと見てすぐ必要箇所が分かるように、見やすく作るべきだった。
3.3. 実習生の授業に関するフィードバック
A. 時間配分
・復習に時間をとりすぎた。
・説明が長くなりすぎた。
B. 教師のしぐさ
・自信がなさそうにみえた。
・教案を見すぎた。
・顔の方向、絵カードの見せ方がよくなかった。
C. 話し方
・明確な指示ができなかった。
・話し方が早すぎた。
D. 板書
・余計な板書が多かった。
・見にくい書き方をしてしまった。
・無言で板書していたため、間があいてしまった。
E. 対応
・学生の質問を十分理解せず、次のところに行った
・学習者のいい質問答えを有効的に使い、話を広げていくべきだった。
F. その他
・プリントを配るタイミングを考える必要がある。
・学習者が何をどれだけわかっているのかがつかめず、戸惑ってしまった。
4. まとめ
教室で日本語の授業を行うのは初めての実習生が多かったが、実習生2人に対して1人のTAがついた。TAからは、教案の作成、活動の時間配分、また教材の作成などに関するフィードバックを得て、そのときに起こりやすい問題点の指摘を細かく受けることができた。実習を行うことによって、教材の作成や使い方の工夫、時間、既習の言葉によって説明を行うことなど、見学ではわからない部分の難しさを実感した。上に挙げたように反省点は多々あるが、TAや他の実習生の授業見学も積極的に行い、授業の準備には時間をかけて、熱心に取り組めたのではないかと思う。