4.1. A-Class( ゼロ初級クラス )
担当:田中・プレストン
1.
学習者
今年度のゼロ初級クラスの学習者は以下の通りである。
<学習者の履歴>
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学習者 |
国籍 |
日本語学習歴 |
来日経験 |
備考 |
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A |
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1年(2H/週) |
なし |
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B |
US |
独学 |
なし |
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C |
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4週間(1.5H/週) |
2年目 |
AET1年間経験済み |
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D |
US |
2ヶ月(2H/週) |
4年目 |
AET1年間経験済み |
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E |
AU |
独学 |
2年目 |
AET1年間経験済み |
Eメールによる事前アンケート、来日後の教育館で行ったインタビュー、他受講メンバーの日本語との差を考慮し上記の5名に決定した。学習者AとBは、初来日メンバーであり、他はすでに日本でAETを経験したが前年に名大の同プログラムへの参加がなく、自主的に日本語を学習したいと希望したメンバーであった。
<各学習者について>
学習者Aは、即戦的な会話力を求めるが、練習より理解することを先行して学習する様子だった。学習者Bは、授業にまじめに取り組み日本語を理解しようと、じっと耳を澄ましている態度がよく見られた。学習者Cは、自分の知っている日本語を使い、さらに適切に日本語を使えるようになろうと努めていた。冗談を交えたり、他の学習者にアドバイスを与えることもできた。学習者Dは、積極的に授業に取り組み、クラスに活力を与えていた。学習者Eは熱心に授業に取り組み、日本語で話せるようになろうと意欲的であった。
2.
クラス目標
全体の学習目標に加え、学習者に合わせてクラスでの学習目標を設定して取り組んだ。
・全体の学習目標:
AETが仕事や日常生活において必要とする会話能力の向上
・クラスの学習目標:
場面別の会話練習で基本的な文法の理解と発話を行う。
仕事や日常生活で使われる語の語彙を増やす。
3. テキスト編纂
AETの仕事や日常生活の場面別のテキストが昨年までに作成されていたため、ゼロ初級用として昨年使用された『すいか―つかえるにほんご―2003年度版』(以下『すいか』とする)を使用することにした。L5までが授業で扱った範囲であるが、L6以降も役立つ内容のため受講者に渡している。
語彙を増やすためには、カタカナ導入の語と場面別の語を追加し、別の一覧表を担当者が作成して受講者に配布した。授業内の練習時に語を絵カードとともに提示した。
4.
シラバス・カリキュラム
ゼロ初級クラスのシラバスは以下の通りである。
レッスン番号はテキストの項目番号。( )内は担当者名。
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日 |
1 |
2 |
3 |
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12 THU |
オリエンテーション |
カタカナ |
前半: |
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13 FRI |
カタカナ |
動詞 |
L2 注文する(2) |
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16 MON |
ひらがな、カタカナ |
L3 買い物する |
アクティビティ:買い物する |
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17 TUE |
L4 道をきく(1) |
Japanese Day |
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18 WED |
Japanese Day
報告 |
時間表現 |
出し物の準備 |
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19 THU |
V-past:ました |
V-past:ませんでした |
V-たい:(want to V) |
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20 FRI |
復習 |
フェアウェルパーティ |
フェアウェルパーティ報告 |
前半にひらがな、カタカナを読み中心に学習する時間を取った。並行して、宿題を出している。場面別の会話と基本的な文法を学習できるようにし、テキストはL1からL5までの範囲を授業時間で扱った。全体での活動後には、報告の時間を設け、感想を聞くとともに質疑応答やフィードバックができるようにした。
フェアウエルパーティの準備としてアクティビティと出し物の準備を設定した。出し物の準備は、クイズ形式の寸劇で、スキットを作成しながら台詞を繰り返し練習した。
5. 各時間の反省
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8月12日 1日目 2コマ 担当:田中 |
内容: L1 自己紹介 |
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自己紹介 目標:自己紹介のフレーズを覚え、自分の自己紹介ができるようにする |
反省: 自己紹介のフレーズは全員言えるようになったが初来日のメンバーと、それ以外のメンバーの目標を変え、高く設定してもよかったかと思った。 |
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8月13日 2日目 3コマ 担当:プレストン |
内容: L2 注文する |
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注文する |
反省: |
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8月16日 3日目 3コマ 担当:田中 |
内容: L3 買い物 |
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買い物する |
反省:文法の導入、語の提示後に練習したが、場面練習が少ないまま次に進んでしまった。ペアワークは楽しそうたったので受講者間で会話できるような活動を早めに始めた方がよかった。買い物のアクティビティは簡単だった。移動時に授業への要望やAETの仕事のきっかけなどを聞くことができ、コミュニケーションを図る時間にすることができた。 |
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8月17日 4日目 1コマ 担当:プレストン |
内容: L4 道をきく |
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道をきく |
反省: |
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8月18日 5日目 3コマ 担当:田中 |
内容: L5 電話する |
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電話する |
反省:AET経験済みのメンバーが意欲的に取り組んでいたので必要性を感じた。説明が長い、フィードバック不足で練習が不十分になってしまった。病気の時どうするかのキューを出し動機付けをした方がよかった。 |
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8月19日 6日目 3コマ 担当:プレストン |
内容: V-past、V-たい、V-te iru |
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V-past、V-たい、V-te iru |
反省: |
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8月20日 7日目 2コマ 担当:プレストン |
内容: 復習 |
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復習 |
反省: |
6. 全体の反省
6.1.
授業内容
場面別の会話を基本的な文法とともに学習できるようにと取り組んだ。ひらがな、カタカナは読むことを中心に学習時間を取った。50音図を使用し音と文字の対応付けと説明をした。
自己紹介、買い物は、授業後にすぐ活用する場を設定した。初来日のメンバーに合わせ学習目標を設定していたが、クラスのメンバー全員の学習目標が同じでなくメンバーそれぞれに難易度の違う目標を意識させてもよかったかと思った。特に自己紹介についてはフィードバックが不十分だったと反省している。
フェアウエルパーティの準備として行った寸劇のスキット作成、台詞練習は、言いたい表現を明らかにし、練習できるメリットのある活動になった。実際に友だちを日本人に紹介したり、趣味について話したりする機会があるのではないかと思うが、その時言いたいことを日本語で簡単に言うにはどういったらいいか考え、練習することができていた。教師はアドバイザーになったり、話を進行させたり、時にはリピートさせたりして指導した。表現に関して文化的な差を感じることがあったが、その点について担当の教師と意見を交換することができたため心強く思い対応することができた。
6.2. 授業の進め方
前半は、教師と受講者との質疑応答に終わってしまうことが多かったが、後半は受講者の中で初来日のメンバーとそれ以外のメンバーの差から発言順序や会話練習をしていくことができるようになった。しかし、教師側が期待するほど、モデル発話のリピートをしないためどう練習させたらいいのかと悩むようになった。担当二人で話し合い、アドバイザーの助言を得て、声に出して練習する指示の出し方や活動の構成を工夫するようにした。
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