3.2. 事前アンケート
担当 : 渡邉
1.事前アンケートの目的と概要
1.1. アンケートの目的
事前アンケートは、本コースの目標・シラバス・教授法・学習活動・教材の計画、およびクラス編成を行うのに必要な、学習者のニーズやレディネス・学習スタイル・興味などについての情報を得るための事前調査の一部として行われた。(事前調査全体はインタビ} 17;ー・1年後アンケートの分析および当アンケートによって行われた。)
1.2.
アンケート実施の概要
今年度は、既に日本に住んでいる学習者とまだ来日していない学習者が混在したため、既に来日している学習者については、口頭テスト(PT)の実施の際に行い、まだ来日していないJETプログラムの学習者についてはE-mailで送信し、実習MLに直接返信してもらうようにした。しかし、その送付は直接できなかったため、教育館を通して行った。(→渉外記録参照。)
今年度は事前アンケートの担当者は決めておらず、E-mailでの送付は最初の教育館でのPTの際(6月14日)にその回のPT担当者が教育館に直接出向いて依頼し、締め切りは6月30日とした。これを過ぎても、回収できなかった人に関しては、それ以降のPTの際にしてもらった。最終的に全員から回収できたのは8月6日となった。
また追加質問(追加質問の項参照)については、交渉担当がE-mailで送付した。
2.経過と質問事項およびその利用
2.1. 質問内容決定
6月の上旬から、事前アンケートで何を聞くか・どのように聞くかということが会議やML上の意見交換を通して話し合われた。質問項目を立てる際には、前年度までの事前調査を参考にし、質問の回答方式を変えたり足りない質問を付け加えたりといった形で行われた。全体で決定した質問事項を、実習生で英語母語者であるジュディが英語に翻訳した。
2.2. 前年度からの変更点
話し合いの結果、以下の点についての変更・付加が決定された。
@本研究科の実習日本語教育コースを受けた事があるかどうかを聞く項目を付け加える。
A日本語学習経験についての質問を、自習で何をしたかもわかるようにし、また「学習方法」について具体的な選択肢を付加した。
B漢字の知識についての質問を、「読み」と「書き」にわけ、数を聞くのではなく、それぞれ何ができる程度かという選択肢を設けた。
C漢字学習への希望について、漢字を勉強したいかどうかだけではなく、何ができる程度の漢字を学習したいかを聞いた。
D前年度の「日本人と話す頻度」は、これが話す能力を見るという目的であればインタビューで補えばよいということになり、「日本語を使う機会」を聞く質問に変え、読む・書く・話す・聞くについて具体的な対象者や媒体の選択肢を挙げることにした。
E「ボーダーラインにいる場合上のクラスに行きたいか下に行きたいか」という質問を省いた(これは実際に会ったときに聞こうということになった)。
これ以外に、少しでも学習者が答えやすい順番に並べ替える作業を行った。
2.3.質問事項
今年度の質問内容および実際の質問形式を以下に記載する。
|
1.名前 2.国籍・母語・第二/第三言語 3.名古屋大学のAET日本語教育プログラムへの参加経験 4.日本語以外の言語の学習歴(言語、期間、学習の場所、教授法) 5.(上記について)どんな方法で学習したか 6.日本語学習歴(どこで:期間:使用教材:教師(母語話者/非母語話者:学習方法) 7.日本滞在歴(いつ:期間:目的) 8.日本語使用機会(4技能別:対象者(媒体)) 9.発話能力に関する自己評価 10.日本語能力試験を受けたことがあればその合格した級 11.ひらがなの読み書き能力 12.カタカナの読み書き能力 13.漢字の読み書き能力 14.使用文字(ひらがな・カタカナ・ローマ字)に関する希望 15.漢字学習の希望 16.コースで何に焦点を当てるかに関する希望(文法説明/新語彙/文法の発話練習/会話練習/作文など) 17.日本の何に興味があるか |
2.4. 結果の利用
以上のうち、
・
1(母語・国籍)は学習者の情報を管理するために質問した。
・
2(第二言語・第三言語)は学習者の言語的能力・言語学習にどれくらい慣れているのかを知るために設けられた。1名中国語・広東語を母語とする学習者がいたが、これについて は全体レベルではあまり利用されなかった。
・
3については今年度から参加募集の対象が過去の名古屋大学の実習プログラムへの参加者経験がある人も対象とされたため、教材や内容が重ならないようにするため新たに設けた。しかし、結果的に参加経験者はいなかった。
・
4,5は言語学習の経験上どんな言語の文法を知っていて、どんな学習方法に慣れているのかという事を知るために設けられたが、それほど全体の把握の中では大きな情報とはならなかった。しかし学習者の好みを予測する上でクラス別計画段階で生かされたと思われ、学習スタイルの予測という意味では、授業開始後にわかることのほうが多いかもしれない。
・
6〜13は学習者の現在のレベルを予測する目的が共通してあった。6の日本語の学習歴の使用教材や学習方法、また14以降の質問は具体的に「何を教えるか」「どんな活動をするか」「どれくらい時間をかけるか」といったカリキュラム・授業計画を立てる際に役立てた。
※クラス別のシラバス・カリキュラムデザイン・授業計画上での事前アンケートの結果の利用については、各クラス別報告参照。
この事前アンケートの結果により、PTによる口頭表出能力のレベル判定実施前にも、学習歴や知っている漢字、自己評価からある程度のレベル予測が行われた。具体的には、学習経験がゼロであったり、ひらがな・カタカナが読めない・書けないという回答により、「ゼロ初級」相当であるかそうでないかが設定できた。また、学習歴や自己評価により、後にCクラスとなる学習者2名が来日する前(つまりインタビューを行う前)から、それまでにPTを行った学習者よりもレベルが高いであろうという予測ができた。ただ、自習の学習者がいたり全部書き込まれていなかったりするせいもあり、学習経験ゼロか、初級は終了しているという学習者以外の学習経験者が、どの程度のレベルであるかということは、事前アンートでは知ることは不可能であった。
あくまでもレベル判定という意味では、予測に役立つものとして限定的な見方をしたほうがよいと思われる。今年度から、既に日本に長く滞在している学習者が参加する可能性もでてきた。もし来年度も同じような状況であるとすれば、インタビューやテストで既習範囲を少しでも把握できるようにするとよいと思われる。
2.5. 追加質問
どんな場面で日本語が必要であると感じているかということについては1年後アンケートの分析から判断しようという事になっていたが、結局、よりよく学習者のニーズを知りたいということで、後日メールによって以下の追加質問を行った。(7月9日送信)
|
追加質問 1.日本でコミュニケーションに支障を感じた場面 2.もっと日本語を使用したいと感じる場面 |
この質問により、各クラスで教えるべき場面や項目を決めるのにおおいに役立ったと思われる。ただ、メールによる回答率は70%程度である。
※以上の質問の結果はクラス別報告参照
3.反省・改善策等
●
今年度は、学習者が一斉に揃うわけではなく、連絡手段なども一様ではなかったため、混乱してしまった。学習者から一斉に回収できる方法を、教育館との連絡を早めに行って考慮しておくとよい。また、早めに事前調査の準備を始められるとよい。
●
事前調査全体で何を知り、何を決めるのかを最初に決め、その上で事前アンケートで何を聞くのかを、他(インタビューやテスト等)とのバランスで決められるとよい。今年度はそのバランスの考慮が少々足りなかった。
●
追加質問で行った勉強したい場面や機能や文法事項についての項目を最初から含めたほうがよかった。
以下に参考のため実際の英語バージョンの書式を記載する。(筆記用)
1. Name
2. Nationality Native
language(s)
2nd language 3rd language(s)
3. Have
you studied before in
4. Have
you ever studied foreign languages other than Japanese?
If
yes, please complete the following for each language:
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Language: |
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Period of
study: |
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Place of study: |
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Study
method: |
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5.
What methods of study were used?
a) Formal (classroom):
___ grammar/translation
___ tapes
___ video
___ textbook
___ conversation
___ grammar drills (spoken)
b) Informal (self-study)
___ textbook
___ conversation partner/friend
___ TV/video/radio
6.
Have you ever studied Japanese? ___
If
yes, please complete the following for each place that you have studied.
|
Where? |
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For how
long? (hrs/wk x yrs) |
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Textbooks
used |
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Teacher (native/non-native
speaker) |
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Study
methods (refer to list in 5a above) |
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7.
Have you ever visited
If yes, how many times?___
For
how long?___
For
what purpose? ___
8. How
often did you use Japanese in your country? (Those already living in
On
what occasions? (please answer all that apply)
a)
speaking ___ (with teacher, friends, family, etc.)
b)
listening/ watching ____ (language tapes, radio, TV, etc.)
c)
reading____ (websites, books, newspapers, e-mail, etc.)
d)
writing___ (e-mail, letters, papers, etc.)
9. In
your opinion, at what level do you speak Japanese?
___beginner
___semi-intermediate
___intermediate ___intermediate-advanced ___advanced
10. Have
you ever taken the "Japanese Proficiency Test"? ___
If
so, what level did you pass? ___
11. How
well do you know hiragana?
___
not at all
___
just reading
___
reading and writing
12. How well
do you know katakana?
___
not at all
___
just reading
___
reading and writing
13. About
how many kanji (Chinese characters) do you know?
a)
reading:
___
none
___
most signs in public places (非常口(hijouguchi)、出口(deguchi)、etc.)
___
I can read a newspaper
b)
writing (by hand):
___
none
___
I can write a letter using Kanji
___
I can write an essay
14. Would you
like us to use hiragana and katakana in this course? ___
Or
only roma-ji (Roman alphabet)?___
15. Regarding
teaching Kanji in this course, would you like to learn:
___
none. I only want to learn conversation
___
I want to learn how to read the most common
___
I want to learn how to write the most common
___
I want to how to read as many as possible
___
I want to learn how to write a letter or e-mail
16. Please tell us below
what you would like the course to focus on most: (eg.
grammar explanations, new vocabulary, speech practice of grammar patterns,
practicing conversation, practicing writing,
etc.) ___
17. Please tell us below
what particularly interests you about
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