日本語教育学原論
◇講義題目: 日本語教育実践研究
◇担当教員: 鷲見幸美 (火・2、総609)
◇授業内容:
日本語教育者に求められる実践的な力、問題意識を養うことを目的とする。
・ 日本語教育教材の分析・作成と教案作成・教壇模擬実習を行い、教材の効果的な使い方、学習活動の設計の仕方を検討する。
・ 前期は初級文型の指導、後期は中・上級の読解、聴解、会話、作文の指導に焦点を当て、学習内容について理解を深めると共に、教え方のポイント、及び効果的な学習活動を考える。
<授業方法>
グループや個人で課題に取り組み、それを評価し合うといった実践演習を中心に進める。
◇参考文献:
岡崎敏雄(1989)『日本語教育の教材』アルク.
岡崎敏雄・岡崎眸(1997)『日本語教育の実習-理論と実践-』アルク.
名古屋大学総合言語センター日本語学科編(1988)『現代日本語コース中級』I & II, 名古屋大学
出版会.
名古屋大学日本語教育研究グループ編(2002)『A Course in Modern Japanese -revised
edition-』Volume One & Two, 名古屋大学出版会.
日本語教育学会編(1995)『タスク日本語教育』凡人社.
その他の参考文献、日本語教材は随時紹介する。
◇成績評価:
平常点(クラス発表・討論)、及び各種課題により評価する。
◇注意事項:
・関連論文(英語で書かれたものを含む)を読むことがあります。
・授業内外における課題への主体的取り組み、受講生間の活発な交流を望みます。授業時間外に
も受講生間の共同作業が必要になることがあります。
・来年度日本語教育実習を希望している人は、必ず履修してください。実習参加は、「日本語教育学
原論」の履修を終了していることが必須条件となります。
日本語教授法及び実習
◇講義題目: 日本語教育実習
◇担当教員: 鷲見幸美 (火・5、総623)
◇授業内容:
1)春の実習をもとに;
・ 既に行った春の実習を様々な角度から検討し、各自が自分の長所、短所を探り、授業改善のための課題を考える。
・ 春の実習に現れた一般的な問題を取り上げ、対応策を検討する。
2)夏の実習にむけて;
・ これまでの実習報告を検討し、本年度実習の参考とする。
・ 各自、実習に向けてニーズ分析を行い、コース・デザインに取り組み、教材を選定あるいは開発し、教案を作成する。同じ所で実習に臨む者はグループで作業にあたる。
3)実習の場における研究テーマ、研究方法を考える。
4)教壇実習を行う。
5)実習報告書を作成する。
◇参考文献:
岡崎敏雄・岡崎眸(1990)『日本語教育におけるコミュニカティブ・アプローチ』凡人社.
名古屋大学大学院国際言語文化研究科日本言語文化専攻(1998-2003)『日本語教育実習報告』
(WWW公開).
名古屋大学日本語教育研究グループ編(2002)『A Course in Modern Japanese -revised
edition-』Volume One & Two, 名古屋大学出版会.
日本語教育学会編(1991)『日本語教育機関におけるコース・デザイン』凡人社.
日本語教育学会編(1995)『タスク日本語教育』凡人社.
横溝紳一郎(2000)『日本語教師のためのアクション・リサーチ』凡人社.
その他の参考文献、日本語教材等は随時紹介する。
◇成績評価:
授業中の討論への参加、実習への取り組み、課題、研究レポートに基づき、総合的に評価する。
◇注意事項:
「日本語教育学原論」の履修を終了し、春休みに行われた実習に参加した者を対象とします。
日本語教授法概論
◇講義題目: 日本語教育基礎研究
◇担当教員: 鷲見幸美 (金・3、演習室2階)
◇授業内容:
多様な日本語教育現場において、多様な学習者を前に、適切な意志決定と問題解決ができるようになることを目指し、日本語の教育と学習について理解と考察を深めると共に、自らの日本語教育観を育てる。
<主要項目>
・日本語教育の教授法
・コース・デザイン
・ 4技能とその指導法
・ 語彙の学習とその指導法
・ 教室における日本語学習
・ 学習者の個人的差
<授業方法>
講義、文献講読、討論により進める。
◇参考文献:
岡崎敏雄・岡崎眸(1990)『日本語教育におけるコミュニカティブ・アプローチ』凡人社.
鎌田修・川口義一・鈴木睦(1996)『日本語教授法ワークショップ(増補版)』凡人社.
クレイグ・ショードロン(2002)『第2言語クラスルーム研究』リーベル出版.
小柳かおる(2004)『日本語教師のための新しい言語習得概論』スリーエーネットワーク.
スカーセラ, R.C.・オックスフォード, R.L.(1997)『第2言語習得の理論と実践 タペストリー・
アプローチ』松柏社.
名柄迪・茅野直子・中西家栄子(1989)『外国語教育理論の史的発展と日本語教育』アルク.
西口光一(1995)『日本語教授法を理解する本 歴史と理論編』バベル・プレス.
日本語教育学会編(1991)『日本語教育機関におけるコース・デザイン』凡人社.
村岡英裕(1999)『日本語教師の方法論』凡人社.
関連論文等その他参考文献は随時紹介する。
◇成績評価:
平常点(クラス発表・討論)、及び学期末レポートにより評価する。
◇注意事項:
英語で書かれた文献を読むこともあります。
対照表現論演習 I
◇講義題目: 対照言語学と言語教授法
◇担当教員: 小坂光一 (火・3、A会議室)
◇授業内容:
前期は動詞句や名詞句による表現をめぐる諸問題を言語学的、言語教育学的に考察する。具体的には
1) 日本語の時称、アスペクト/動作様態、モダリティ
2) 否定などにまつわる諸問題
3) Thema-Rhema 構造(主題化)をめぐる諸問題
4) 事象の成立と命題の存在
などの中からいくつかの問題点を選び、それをヨーロッパの言語(英語、ドイツ語、ロシア語など)やアジアの言語(朝鮮・韓国語、中国語、アイヌ語など)と比較して考察を加えながら日本語の誤用分析を行い、言語干渉にまつわる問題を理論的に整理する方法をさぐる。参加者が必ずしも多くの言語を知っている必要はないが(しかし、最低日本語とその他の1ヶ国語ができることが必要)、参加者の母語や学習した言語が多様であればそれだけ対照の範囲が広がり、面白いものとなろう。
ときどき、口頭によるレポートをしていただく。前期はどちらかと言えば理論的な内容を取り扱うので、少々頭を使う。
後期は TPR や CLL といった、一風変わった教授法の実習(実験)を行なう。参加者にとって未知の言語(今回はトルコ語の予定)を到達言語として選んで体験学習をし、半年でどれくらい覚えられるかの実験をする。ただし、この場合の「どれくらい覚えられるか」というのは、「予習や復習をして、さんざん苦労してどれだけ覚えられるか」ということではなく、「何も苦労しないで、放っておいてどれくらい学習効果をあげられるか」という意味である。
後期はどちらかと言えば行動的な授業であり、少々体力を使う。頭を使うかどうかはその人次第。
◇注意事項:
1.演習形式・実習形式の授業なので、毎回出席できることが参加及び単位取得の条件となる。
2.参考文献は必要に応じて授業中に指示する。前期は主としてプリントを使用する。
3.教室はA会議室(1階、研究科長室右隣)
4.http://www.lang.nagoya-u.ac.jp/~kosakak/graduate.htmlにも類似した内容説明及び
実習風景の写真あり。
第2言語習得研究概論
◇講義題目: 日本語を含む外国語習得研究の基礎
◇担当教員: 中浜優子 (水・2、演習室2階)
◇授業内容:
日本語教育の基礎的研究として最も重大な研究エリアの一つと言える日本語習得研究の理解を深めるのがこの講義の目的である。日本語を含む第二言語習得研究の論文を講読し、多種に渡る研究の長所・短所を探求する力をつける。文法習得関連の実験研究論文を中心に読んでいくが、言語運用にも着目し、機能主義言語学の観点からみた言語習得についても勉強する。この講義で学んだことを将来の自分の言語習得研究に役立ててもらえればうれしく思う。
◇使用文献: 教室で順次指示する。
◇注意事項:
(1) この講義の登録者は、各自論文を読んでその内容につき批判、議論する。第二言語習得研究の代表的論文は英語で書かれたものが多いので、講読論文は英語のものもあるが、「日本語教育」・「第二言語としての日本語の習得研究」などの学会誌からも読んでいき、論文の長所・短所等についてディスカッションする。
(2) 授業とは別に授業用のメーリング・リストを設置する。各種の連絡は、このリストを使って行うので、頻繁にチェックすること。同時に学生同士の質問・議論にも役立ててくれることを期待する。 また、日本語講師募集(常勤・非常勤)、関連学会の口頭発表論文募集などのお知らせメールもここに流すので、受講生は利用してください。
◇成績評価: 授業[ディスカッション]への貢献度・口頭発表(レジュメ)・レポート
対照表現論演習 II
◇講義題目: ここからはじまる日本語文法
◇担当教員: 杉村 泰 (金・4、演習室1階)
◇授業内容:
日本語教育で問題となる文法項目を取り上げ、いかにして教えたら効果的であるのかを考える。演習形式で行うので学生の積極的な参加を期待する。必要に応じて英語の論文も読む。留学生は母語の文法についても勉強しておくこと。
◇教科書:
野田尚史『はじめての人の日本語文法』(くろしお出版)
姫野昌子『複合動詞の構造と意味用法』(ひつじ書房)
◇成績評価: 授業での発表、宿題、レポート、試験
辞書論演習
◇講義題目: レキシコンと文法
◇担当教員: 外池俊幸 (月・2、演習室2階)
◇授業内容:
文法を、いくつかのモジュール(音韻論、形態論、統語論、意味論、運用論など)に分けて考える考え方があり、それはそれなりの妥当性を持っていると考えられる。それらのモジュールとどう関係付けるかに議論の余地があるレキシコン(=辞書)がある。レキシコンの位置付けを関係するモジュールとの間の関係から考える。演習形式で行うので、受講生の積極的な参加が求められる。教科書として、基本的な点を押さえるために、次の本を挙げるが、この本だけを読めばいいということではないことは断っておきたい。余裕があれば、英語の論文を読むことも含めたい。
◇教科書: 松本裕治他(1997)「単語と辞書」岩波講座言語の科学3
◇成績評価: 出席重視。授業での参加の度合い。レポート。
日本語教育学特殊研究 (集中講義、7月28日(木)〜29日(金))
◇講義題目: 外国語としての日本語習得研究のための統計解析法
◇担当教員: 玉岡賀津雄 (広島大学留学生センター) ktamaoka@hiroshima-u.ac.jp
◇授業内容:
第二言語習得研究で得られたデータを,いかに統計的に解析するかを学習する。講義では, SPSS の統計ソフトを使って,統計の理論を基にソフトの操作法を学ぶ。しかし,単なる統計の方法と理論にとどまらず,外国語としての日本語習得研究の実際のデータを事例として取り上げ,最新の研究動向も同時に紹介する。また,論文作成を想定して,(1) SPSS による統計解析に有利なデータ収集法,(2) SPSS の統計解析に適したデータの配列法,(3)特定の仮説検証に最適の分析法,(4) SPSS による分析結果の読み方,(5) 統計解析の結果の図表化,(6) 論文執筆における統計解析の報告の仕方,が受講者に身につくよう授業を進めていく。講義では,以下の12単元の内容を扱う。
1. 記述統計・・・日本語の文法テストの結果を,平均,標準偏差,分散などで考察する。
2. カイ二乗検定・・・日本語学習者に対する新しい教授方法の効果を検討する。
3. t検定と分散分析T(一元配置分散分析)・・・日本語能力テストのグループ間比較。
4. 分散分析U(反復測定・共分散)・・・異なる条件の漢字熟語の習得を検討する。
5. 主成分分析(直行・斜交回転)・・・日本語版Can-do Scaleの能力変数を分類する。
6. 因子分析(直行・斜交回転)・・・日本語版Can-do Scaleの能力変数を分類する。
7. 数量化V類1・・・「有る」,「無い」という回答のデータを分類する。
8. クラスター分析・・・日本語学習者の誤りのパターンや母語の影響を考察する。
9. 判別分析・・・音・訓読みの特性を決める特徴を判定する。
10. 重回帰分析・・・留学生の満足度を決定する因子を見出す。
11. パス解析・・・留学生の学習環境における日本語能力の役割を見出す。
12. 時系列分析・・・日本語学習者の継続的な評価から学習の進展を考察する。
(注1: 数量化V類は, SPSS の Base System には入っていませんので,エスミ社の『EXCEL数量化理論』のソフトを使います。)
◇資料: 授業で使用する文献はそのつど配布する。
◇参考文献:
室淳子・石村貞夫著『SPSSでやさしく学ぶ統計解析』(第2版)東京図書
石村貞夫著『SPSSによる統計処理の手順』(第3版)東京図書
石村貞夫著『SPSSによる分散分析と多重比較の手順』(第2版)東京図書
石村貞夫著『SPSSによる時系列分析の手順』東京図書
室淳子・石村貞夫著『SPSSでやさしく学ぶ多変量解析』(第2版)東京図書
◇成績評価: SPSS 統計ソフトの操作能力,分析結果から図表を作成する能力,分析結果の報告能力を,総括的に評価する。