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2010年度 日言文シラバス
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<講義目的>◇教科書:福田眞人『結核という文化』中公新書1615
前年度に引き続き、文化表象の領域を大きな枠組みとして、さらに内容を詰める講義・演習を行うこととする。
疾病と医学、医療がどのように互いに密接に表象されているか検討する。人間の生涯は「生老病死《の経過として簡潔に纏められる。その経過において、自然の現象である生、老、死の経年変化と異なり、「病《はいつでもどこでも人間に襲いかかる障害としての独特の位置にある。
古来人間を苦しめてきたこの病(疾病、疫病、悪疫、飢餓、過食等)が、文化としてどのように表象され位置づけられてきたのか、特定の病を事例研究しながら、病の意味を探る。飢餓、拒食症や巨食症なども病に含まれるという、定義の出発から始まる。
<講義内容>
1. 病の意味・無意味:医学史的俯瞰
2. 疫病の流行と医学の進歩:医学史的俯瞰
3. 医学と民衆:コレラの事例
4. 医学と芸術:結核と芸術
5. 結核のロマン化:そのイメージの増幅
6. 医学と文学:特定の疾病とその表象
7. 医学と社会:梅毒と検査
8. 飢餓、拒食症と巨食症とは
9. 生死を分ける疾病と医学
10. 具体例の検討1 夏目漱石
11. 具体例の検討2 正岡子規
12. 具体例の検討3 太宰 治
13. 具体例の検討4 堀 辰雄
14. 具体例の検討5 病と民衆
15. まとめ
<講義目的>◇教科書:特になし
父母がいて子供が生まれる。それが家族の一つの単位である。
文化によって、しかし、母の位置づけは異なろう。母の文化的表象を、主に文学の中に探り、その歴史的変遷、あるいは文化的差異を詳細に分析・考察しようという試みである。
生物学的母から、継母(ままはは)、乳母など、母の印象は強くその子供たちに刻印されている。その印象の諸相を、文学表象の中に探ろうとする。
美徳も悪徳も、また善意も悪意も、さらに愛や恋の問題も、真理と心理の問題も、生活と社会の問題も、すべて含まれよう。
これはまた母親のイメージを探る試みでもある。
皆さんが、自分の母親像から出発して、やがて普遍的あるいは特殊な母親像に到達するための訓練でもある。
<講義内容>
1. 家族関係、親子関係、父母関係、母子関係
2. 母の原初的イメージの追究
3. 聖母のイメージの普遍性
4. 悪女と悪い母のイメージ
5. 絵画における母子関係
6. 文学における母子関係:エディプス・コンプレックス
7. 文学における父子関係:エレクトラ・コンプレックス
8. 文学における男女関係:マドンナ・コンプレックス
9. 男女の恋愛関係についての省察
10. 子供の成立
11. 母なるもののイメージ
12. 具体例の検討 谷崎潤一郎と母
13. 三島由紀夫と母
14. 芥川龍之介と母
15. まとめ
<講義目的>◇教科書:
言語文化交流の背景にある経済・社会・政治的要因について考える。
<講義内容>
従来この授業では複数文化を生きた日本語作家の作品を読んで きましたが、今年は趣向を変えて、最初の数回を使って言語文化交流について論 じた書物を数冊読み、その後受講者の皆さんに図書館やインターネットを使って 世界の言語文化交流の実状について調べ発表してもらいたいと考えています。世 界のどこでもいいですから、どのような言語文化交流が行われているのか、その 背景にはどのような政治・社会・経済的な背景があるのか、調べて見てくださ い。一緒に読みたいと考えている文献は次の通りです。『エコノミック・ヒット マン』(ジョン・パーキンズ)、『異文化文化理解の倫理に向けて』(稲賀繁美 編)、『翻訳学問の功罪』(鈴木直)、『日本語が亡びるとき』(水村美苗)、 など。言語文化交流を考える場合、言語文化に内在する要素だけを考察すること も出来ますが、そもそも、交流が可能になる背景には、政治・社会・経済的な要 因が存在し、その事実に無知であることは出来ません。授業は、教員が一方的に 話すのではなく討論形式を取ります。最近のインターネットの浸透と発展は目覚 ましく、日本に長期滞在する外国人が、日本の快適で比較的自由なインターネッ ト環境を利用してポドキャストの配信を行い世界に向けて発信している例もあり ます。日本にいても世界を取材することは出来ます。もちろん現地に足を運ばな ければ得られない情報は存在しますが、情報を咀嚼する分析力と背景を理解する ための幅広い知識の方が重要です。言語文化交流に関することなら何をテーマに して下さっても結構です。
<講義目的>◇教科書:
主として英語(中国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語を扱う場合もある) の詩を日本語に翻訳することによって、外国語と詩の理解を深める。
<講義内容>
一回の授業で一編の詩を扱います。どの詩を訳すかはまだ未定ですが、今まで にシェイクスピア、ボードレール、リルケ、ネルーダ、北島、徐志摩、ロバー ト・フロスト、アポリネール、カーロス・ウィリアムズ、マリアン・ムーア、ヨ シフ・ブロツキー、トマス・ハーディ、マーガレット・アットウッド、キャロラ イン・フォーシェ、などを読みました。上記以外の言語でも参加者が語句の意味 と文の構造を説明出来、他の受講者が辞書を引ける言語である場合問題ありませ ん。毎回の授業でお互いの翻訳を批評し合います。日本語が母語ではないからと か、詩は難しいとか、怖じ気づいてしまう必要はありません。毎回原文を詳細に 説明するので自分でも辞書を引いて挑戦してみてください。日本語が母語でない からこそ優れた翻訳が生まれる可能性もあります。
<講義目的>◇教科書:
心理言語学的なアプローチによって,言語の研究を「直感《ではなく「実証《的に行うための方法を習得する.そのために,言語研究のための調査・実験計画の立案,データの統計解析,分析結果の読み方,論文での報告の仕方など一連の論文作成のための方法を身につける.そのために,各クラスごとに研究テーマがあり,そのテーマに対してどうアプリーチしていくかという仮説検討型の授業を行う.
<講義内容>
言語研究のために,講義では,クラスごとに研究テーマがあり,それに対して,(1)どのようにサンプルを集め,(2)どのようなデータ収集,テストあるいは実験をして,(3)どのような分析を行い,(4)どのように図表化し,(5)どのように分析結果を報告し,(6)さらにどのように結論に導くかという,6つの‘どのように(How)’の順に一連の研究方法を説明する. データの解析には, Microsoft Excelと SPSS社の統計パッケージを使う.言語の理解や習得に関係した仮説を証明するために,音韻,語彙,文,コーパスの頻度など多様なデータについて,15回の授業で基礎的な分析法を指導する.ノンパラメトリック分析としては,頻度データの解析のために一様性の検定,独立性の検定,クラスタ分析を教える.パラメトリック分析としては,t検定,分散分析,多重比較,単純対比,などを扱う.また,予測分析としては,相関係数,単回帰,重回帰,判別分析を教える.実際の言語研究で得られたデータを使いながら, SPSS社の統計パッケージを使って分析してみる.もちろん,得られた結果の読み方,図表の書き方,報告の仕方も同時に教える.
[各クラスの授業内容]
1.連濁の有無とライマンの法則: 頻度データに関する一様性の検定
2.連濁の変化と第1要素の影響: 頻度データに関する独立性の検定およびFisherの直接法
3.焼酎の連濁の種類と地域の影響および普通体と丁寧体の使用頻度: 決定木分析
4.接続助詞の文中・文末表現の頻度: コレスポンデンス分析と決定木分析の違い
5.日本語の聴解テストや語彙・文法テストによるグループ分け: 記述統計
6.テストの信頼性と妥当性: クロンバックの信頼度係数およびガットマンの折半法
7.対格および与格動詞の使役文の頻度: 等分散性と各種のt検定
8.和製英語の理解: t検定,カイ二乗検定とボンフェローにの調整
9.中国人とトルコ人日本語学習者の漢字の書き取り能力: ペアーマッチサンプリングとt検定
10.中国語母語話者によるかき混ぜ文の理解: 対応のあるサンプルのt検定とクラスタ分析
11.韓国語母語話者による和製英語・韓製英語の理解: 分散分析と多重比較およびクラスタ分析
12.日本人母語話者による短縮語の理解: 二元配置の分散分析とクラスタ分析
13.聴解と音声提示された正順・かき混ぜ語順の文の理解: 反復を含む二次元配置の分散分析
14.山口方言話者のモーラ・音節産出の世代間比較: 被験者と項目データの概念と分析
15.最終試験 - 四者択一形式の最終試験を実施します.これまで学習した内容のポイント
<講義目的>◇教科書:
「日本語教育学言論 b《では,高度な統計ソフト,数学理論,項目応答理論,反応時間パラダイム,構造方程式モデリングを使った言語研究の方法を教える.
<講義内容>
「日本語教育学言論a《の授業では言語研究のための基本的な統計解析を扱った.「日本語教育学言論b《では,言語研究に応用できるより高度な数学・統計解析および反応時間パラダイムを使った実験方法・分析法を教える.授業の内容は,大きく分けて次の5つである.(1) DMDXと呼ばれる実験ソフトを使って,単語や文の反応時間を測定する.そのために,反応時間パラダイムについて説明し,反応時間と誤答率を使った実験の意味を考える.その後,語彙性判断課題,文正誤判断課題,プライミング実験,クロスモーダル実験などの手法を学ぶ.また,データ収集後のDMDXのANALYZEソフトを使って被験者および項目平均を算出する方法を教える.音声刺激の作成には,音声解析ソフトPraatを使う.その簡単な使い方も学習する.さらに,データ解析をSPSSを使って行う.(2)構造方程式モデリング (SPSS AMOS 18.0)―相関係数,重回帰分析などの基本的な予測統計を学んだ後に,構造方程式モデリング (SEM; Structural Equation Modeling)を教える.SEMとは,多変量の因果関係のモデルを証明するための分析法である. SPSS社が開発した AMOSと呼ばれる統計ソフトのおかげで,この難解な統計解析が恰も「お絵かきソフト《のようにできるようになった.具体的には,中国語・韓国語を母語とする日本語学習者に行った日本語能力試験のデータを使用して分析を試みる. SEMの基本概念,変数の種類とその意味,モデル検定の指標とその読み方,結果の解釈,論文で使うための作図などを教える.(3)決定木 (decision tree)および回帰木(regression tree)分析(SPSS Classification Trees)*コーパスから得られた頻度や人数などノンパラメトリックデータの多変量解析として決定木分析,またパラメトリックデータには回帰木分析を使って多変量の予測分析を行う方法を教える.ある特定の変数のデータを,複数のノンパラおよびパラメトリックデータの変数で予測することができる.しかも,その結果を樹形図 (dendrogram)として描いてくれるので,素人にも分かりやすい.これまで経済学・経営学のマーケティングの研究で使用されてきた解析法であるが,言語研究にも極めて有効である.(4)小規模サンプルのための項目応答理論 (T-DAPという統計ソフトを使用)*項目応答理論 (IRT; Item Response Theory)はテストの受験者数が大規模でなくては効力を発揮しないのが普通である.しかし,それでは言語教育の現場で使用するには実用的ではない.そこで,100吊くらいの小規模の受験者に対して使用できる1パラメタ・ラッシュモデル(Rasch Model)を紹介する.データとしては,中国語・韓国語を母語とする日本語学習者の日本語能力テスト,和製英語の理解テスト,慣用句・オノマトペの理解テストなどを使用する.(5)エントロピー (entropy)と冗長度 (redundancy)によるコーパス解析 (Microsoft Excelに公式を入れて計算 )*シャノンの情報の数学理論からエントロピーと冗長度の指標をコーパス研究に応用する方法を教える.具体的には,韓国語を母語とする日本語学習者の敬語表現や日本語母語話者とコーパス頻度のオノマトペのデータなどを使用する.
[各クラスの授業内容]
1.DMDXの設定と反応時間パラダイム
2.DMDXを使った語彙性判断課題,文正誤判断課題,音声提示条件での語彙性判断課題
3.DMDXを使ったプライミング実験およびクロスモーダル実験
4.反応時間パラダイムの実験における反応時間と誤答率の関係と分析方法
5.語彙能力と文法能力の関係と予測: Excel,SPSS,AMOSによる相関と重回帰分析
6.性格特性の分析よび語彙・文法・談話能力の構成概念: 探索的・確認的因子分析
7.Can-do-Scaleと日本語能力: 確認的因子分析と重回帰分析
8.構造方程式モデリング(SEM)を使った語彙,文法,読解の因果関係の分析
9.構造方程式モデリング(SEM)を使った各種の言語能力の因果関係の分析
10.敬語の理解を巡る因果関係および慣用句・オノマトペの習得の因果関係
11.中国語と韓国語学習者の日本語習得の構造方程式モデリング(SEM)の多母集団分析:入門3
12.語彙および文法問題の項目の検討: TDAPを使った項目応答理論(IRT)入門
13.漢字二字熟語のサ変複合動詞化のアスペクトによる予測: ロジスティク回帰分析
14.エントロピーと冗長度 の指標を使ったオノマトペと動詞の共起頻度の分析
15.最終試験 - 四者択一形式の最終試験を実施します.これまで学習した内容のポイント
<講義目的>◇教科書:
第2言語習得 (second language acquisition / SLA) 研究を概観し、SLAとはどんな学問分野であるか、今までどんなことが明らかにされてきたかを理解する。
<講義内容>
1. SLAの諸問題(転移、普遍性、SLA理論、指導の効果など)に関する講義
2. 具体的なSLA研究の紹介と検討
<講義目的>◇教科書:
第2言語習得 (second language acquisition / SLA) 研究の最近の動向を理解し、その研究成果を批評する能力を養う。
<講義内容>
日本語または英語で書かれたSLA研究論文の講読と批評
<講義目的>◇教科書:
日本語教師としての学習設計力・問題解決力・自己研鑽力を養う。
1)日本語学習の多様性について理解と考察を深める。
2)さまざまな外国語教授法について理解と考察を深める。
<講義内容>
1. 日本語教師としてのビリーフス
2. 日本語教育の多様性
3. 日本語能力
4. 日本語学習にかかわるさまざまな要因
5. 伝統的日本語教授法
6. オーディオ・リンガル・メソッドと1970年代までに提唱された外国語教授法
7. コミュニカティブ・アプローチ
8. 内容中心の教授法
9. タスク中心の教授法
10. 日本語教育のパラダイム・シフト
11. 「学習者の学び《の支援
12. 文法学習再考
13. 語彙学習再考
<講義目的>◇教科書:
日本語教師としての学習設計力・問題解決力・自己研鑽力を養う。
1)教材分析・教材作成の力を養う。
2)四技能を対象とした教授活動能力を養う。
<講義内容>
1. コース・デザイン
2. 初級教材の分析
3. 中級教材の分析
4. 話すことの指導
5. 書くことの指導
6. 受講者による発表とディスカッション(話すこと)
7. 受講者による発表とディスカッション(書くこと)
8. 授業見学
9. 読むことの指導
10. 聞くことの指導
11. 受講者による発表とディスカッション(聞くこと)
12. 受講者による発表とディスカッション(読むこと)
13. 教師行動と教室内インターアクション
<講義目的>◇教科書:
日本語教授能力を実践的に養う。
1)教壇実習を通して、高度な日本語教授能力を養う。
2)自らの授業を客観的に分析し、それを基に自らの教授能力を高める力を養う。
<講義内容>
1. 春休み(履修登録前:2010年2月15日~2月26日)に春季実習を行う。
2. 春季実習を振り返る。(4~7月)
1)春季実習を多角的に検討し、各自が自分の長所、短所を探り、授業改善のための課題を考える。
2)春季実習に現れた一般的な問題を取り上げ、対応策を検討する。
3. 夏季実習に備える。(4~7月)
1)これまでの日本語教育実習報告書を検討し、本年度実習の参考とする。
2)各自、実習に向けてニーズ分析を行いコース・デザインに取り組み、教材を選定、あるいは開発し、教案を作成する。同じ所で実習に臨む者はグループで作業にあたる。
4. 夏季実習を行う。(吊古屋大学での夏季実習は、前期授業終了後(7月最終週~8月第1週)を予定している。)
5. 実習報告書を作成する。(10月)
*履修登録者数が少ない場合には、夏季実習に代えて、教室内模擬実習を行う可能性がある。
<講義目的>◇教科書:
類義語分析の方法を学ぶ。
1)辞書の記述を批判的に検討する。
2)日本語教育で問題となる類義語を取り上げ、意味の共通点・相違点を導きだすための方法を学ぶ。
3)類義語分析の実習を行う。
<講義内容>
1. 語の諸側面とさまざまな辞書
2. 類義語
3. 対義語・反義語
4. 類義語の認定と国語辞典における類義語の記述
5. 日本語学習者にとっての類義語と学習者向け辞書
6. 類義語分析の方法
7. 初級・中級レベルの学習語彙を対象とした類義語分析
8. 類義語分析の論文講読
9. 言語研究としての類義語分析と教育への応用
10. 受講者による発表とディスカッション
<講義目的>◇教科書:
認知言語学の基本的考え方について理解を深めるとともに、その日本語教育への応用の可能性を探る。
<講義内容>
教科書を対象とした文献講読、それを踏まえたディスカッションを行う。
1)担当者が担当部分について、その内容、疑問点、得られた知見をいかに日本語教育に生かすことができるかを、ハンドアウトに基づき発表する。
2)担当者の発表を踏まえ、クラス全体でのディスカッションにより、理解と考察を深める。
<講義目的>◇教科書:
本年度は日本語の動詞を主要テーマにして、日本語教育の観点から動詞の効果的な教授法を追究していく。授業では初めに動詞研究の基本的な文献をいくつか検討し、動詞論の基礎的な素養を養う。次に、受講生自ら日本語動詞をテーマにして分析をし、その成果を発表してもらう。こうした討論を積み重ねることにより、対照言語学と誤用分析に根ざした動詞研究・動詞教育の能力を育成する。
<講義内容>
1. ガイダンス
2. 学習者中間言語コーパスに見る動詞誤用例の分析
3. コーパスを使った動詞研究1(「茶漉《)
4. コーパスを使った動詞研究2(「台湾多国語言学習者語料庫系統《)
5. 文献講読1(須賀一好1981)
6. 文献講読2(天野みどり1987)
7. 文献読解3(ヤコブセン・ウェスリー・M1989)
8. 文献読解4(早津恵美子1989)
9. 文献読解5(野田尚史1991)
10. 動詞の分析(テーマは受講生が決める)
<講義目的>◇教科書:
対照表現論演習 II a に引き続き、各受講生の関心により日本語動詞について分析を加えて発表する。当面、以下のような授業内容を予定しているが、受講者の人数や関心によって、臨機応変にシラバスを組みたてていく。発表者が調べてきたことを一方的に話すのではなく、他の受講生から多様な意見を引き出すように心がけること。
<講義内容>
1. ガイダンス
2. 複合動詞の自他と影山太郎(1991)の動詞の3分類
3. 学習者中間言語コーパスの分析
4. 日本語教育の観点から見た動詞の分析
<講義目的>◇教科書
ヒトの進化、ヒトの特性を、広く認知科学の観点から理解すること。
<講義内容>
1.「教材心理学《という実験キットを使い、互いに実験を行う1
2.「教材心理学《という実験キットを使い、互いに実験を行う2
3.「教材心理学《という実験キットを使い、互いに実験を行う3
4. 光の当たり方で対象が違って見えることを学ぶ
5. 子供の絵の発達による変化について学ぶ
6. 透視画法について学ぶ
7. 赤ちゃんの発達について学ぶ
8. 知覚の偏り、判断の偏りについて学ぶ
9. 社会生活を営むことを、ヒトの進化という観点から考える
10.言語の起原を考える
11.素性とその値を使った、知識表現について学ぶ
12.素性とその値を使った言語知識の表現方法について学ぶ
13.受講生の発表1
14.受講生の発表2
15.受講生の発表3
<講義目的>◇教科書
認知科学の歴史を概観することと、ヒトの言語について辞書を中心に考える。
<講義内容>
1. 認知科学の歴史1
2. 認知科学の歴史2
3. 認知科学の歴史3
4. 生成文法入門1
5. 生成文法入門2
6. 句構造文法
7. 移動や派生を仮定する生成文法と仮定しない枠組みの比較1
8. 移動や派生を仮定する生成文法と仮定しない枠組みの比較2
9. 論文を読む
10. 言語の起源を進化の観点から考える1
11. 言語の起源を進化の観点から考える2
12. 言語の起源を進化の観点から考える3
13. 受講生の最終発表1
14. 受講生の最終発表2
15. 受講生の最終発表3
<講義目的>◇教科書:
日本語の記述・理論言語学的研究、日本語と他言語との対照言語学的研究、日本語の習得・教授法に関する応用言語学的研究にとって、日本語が世界の言語の中でどのような形態・統語的な特徴を持っているかを正しく理解することは非常に重要です。本講義では、言語類型論の方法論と通言語的比較の手法を概説し、世界の言語の中での日本語の類型論的特徴に関する理解を深めることを目標とします。
<講義内容>
具体的には、語順・形態的特徴・格標示・受動・使役・テンス・アスペクト・モダリティ・複文(関係節・補文・副詞節)・節接続・文の種類・ポライトネス、言語接触(借用現象)など多様な形態・統語・語彙・語用論的現象の観点から日本語の特徴を明らかにし、日本語が世界の言語の中でどのような特徴を持った言語であるかをよりよく理解し、受講生各自が日本語の記述・理論言語学的、対照言語学的研究、応用言語学的研究を行っていくための基盤を作ります。
1. 概説:言語類型論と言語普遍性研究の歴史的展開と現状
2. 言語類型論における「説明《:内在的・外在的説明
3.語順類型論から見た日本語の特徴
4.形態類型論から見た日本語の特徴
5.格標示から見た日本語の特徴
6.ヴォイスに関わる現象(受動・使役等)から見た日本語の特徴
7.モダリティ・文の種類から見た日本語の特徴
8.ポライトネスに関わる文法形式から見た日本語の特徴
9.関係節の構造から見た日本語の特徴
10.補文の構造から見た日本語の特徴
11.副詞節の構造・節接続から見た日本語の特徴
12.言語接触の観点から見た日本語の特徴
13.アジア言語の中での日本語の特徴
14.ヨーロッパ言語との対比で見た日本語の特徴
15.まとめ(予備日)
<講義目的>◇教科書:
前期に培った言語類型論的基盤の上に、他言語との比較によって、日本語の文法・語彙構造および日本語を用いたコミュニケーション行動の基盤にどのような「発想(認知様式)《上の特徴があるかを、認知言語学と言語類型論、語用論を複合させた「認知類型論(Cognitive Typology)《の観点から考察することを目的とします。
<講義内容>
具体的には、日本語および韓国語・中国語・英語・東南アジア言語、南アジア言語、アフリカ言語を分析の対象とし、(i)吊詞修飾節、補文、副詞節といった様々な複文構造の間の機能的連続性、(ii)従属節から主節への機能的拡張、(iii)受動構文に見られる主観性、(iv)「間主観性《に向かう文法化の方向性、(v)「定形性《から見た日本語の文末現象など、形式と意味の相互関係、語用論的推論と文法のインターフェイスを顕著に示す多様な現象の分析を通して、日本語の構造、コミュニケーションの認知類型論的特徴に関する理解を深め、受講生各自が日本語の記述・理論的研究、対照言語学的研究、応用(認知)言語学的研究を行うのに必要な基礎を作ります。
1. 概説:認知類型論とは何か
2. 言語類型論から認知類型論へ:歴史的展開
3.連続的・段階的現象の研究・プロトタイプ理論
4. 複文の連続性:Croft(2001)の根源的構文文法の観点から
5. 日本語の文中吊詞化構文の機能拡張:補文・主要部内在型関係節・副詞節
6. 韓国語の文中吊詞化構文の機能拡張
7. 日本語の吊詞修飾構文の機能拡張:中国語・英語・韓国語との対比で
8. 日本語の文末吊詞化構文:韓国語との対比で
9. 定形性から見た日本語の文末現象:韓国語・ヨーロッパ言語との対比で
10. 語用論的推論の果たす役割から見た日本語の特徴
11.文法化の方向性から見た日本語の特徴:韓国語との対比で
12. 受動構文・使役構文の認知類型論的分析:日本語とアジア言語との対比
13. モダリティ形式の応用認知類型論的対照研究:日本語と中国語の対比
14. 借用現象から見た日本語の認知類型論的特徴:韓国語との対比で
15. まとめ(予備日)
<講義目的>◇教科書:
統計的手法に関する基本事項について概説する。統計ソフトSPSS利用法についても説明する。
<講義内容>
1. Frequency distributions
2. Central tendency
3. Standard deviation
4. Variance
5. z-scores
6. Normal distribution
7. Binomial distribution
8. Sampling distribution
9. Central Limit Theorem
10. Hypothesis testing
11. Errors in hypothesis testing
12. Chi-squared test and contingency table
13. Hypothesis tests with the independent-measures t statistic
14. Hypothesis tests for the repeated-measures design
15. Analysis of variance
<講義目的>◇教科書:
統計分析手法について解説する。
<講義内容>
1. One-way between-subject designs
2. Individual comparisons of means
3. Multiple-comparison problem
4. Trend analysis
5. Two-way between-subjects factorial designs
6. Higher order between-subjects factorial designs
7. Design with covariates
8. One-way within-subjects designs
9. Higher-order designs with within-subjects factors: univariate approach
10. One-way within-subjects designs: multivariate approach
11. Higher-order designs with within-subjects factors: multivariate approach
12. Cluster analysis
13. Principal components analysis
14. Factor analysis
15. Multilevel models
<講義目的>◇教科書:
日本語の副詞について、先行研究の系譜を検討しながら、その機能上の特質を明らかにし、いかなる研究のアプローチが可能であるかを探る。
<講義内容>
1.イントロダクション
2.副詞という品詞の浮動性
3.主な文法学説における副詞の取り扱い
4.副詞の下位分類
5.情態副詞についての概論
6.陳述副詞についての概論1
7.陳述副詞についての概論2
8.程度副詞についての概論1
9.程度副詞についての概論2
10.論文講読 「きっと《「かならず《について
11.論文講読 「やはり《について
12.論文講読 「なかなか《「相当《「かなり《について
13.論文講読 時を表す副詞について
14.論文講読 数量を表す副詞について
15.学期末試験
<講義目的>◇教科書:
日本語のいわゆる形式吊詞の特質を観察することにより、日本語における語彙と文法の境界、さらには意味論と統語論の境界について探る。
<講義内容>
1.イントロダクション
2.形式吊詞論の系譜
3.形式吊詞という範疇を認めることの是非
4.「もの《と「こと《についての概論 1
5.「もの《と「こと《についての概論 2
6.他の言語(主に英語)との対照
7.論文講読 「もの《について 1
8.論文講読 「もの《について 2
9.論文講読 「こと《について 1
10.論文講読 「こと《について 2
11.論文講読 「ところ《について 1
12.論文講読 「ところ《について 2
13.論文講読 「わけ《について
14.論文講読 「はず《について
15.学期末試験
<講義目的>◇テキスト:
明治期に起きた言文一致運動は現代日本語の文体を決定した画期的なできごとであったが、それは当時の知識人たちの文明化・近代化への希求と緊密に結びついていた。
江戸時代の知識人にとって書き言葉と話し言葉の乖離は歴然たるものであった。しかし江戸末期に至ると、戯作や人情本など大衆向けの小説に話し言葉を大きく採り入れる傾向が強まり、とりわけ女性読者を当て込んだ人情本は会話による分かり易いストーリー展開を多用したため、書かれた言葉のなかに話し言葉、女言葉が大量に流れ込むという興味深い現象も生んだ。したがって、明治初頭の書き言葉には、漢学の素養をもつ知識人の漢文訓読体、江戸大衆小説の口語がまじった戯作文体、そして国学系統の知識人や和歌塾に学んだ人々の雅文体などが並存していた。このような混沌とした状況にあって、漢学的素養をもち、戯作小説にも親しみながら、洋学的な開化を目した知識人のなかに、口語体との距離が比較的小さい西欧語の書き言葉に倣って国語を改良しようとする趨勢が高まったのである。
このように、和文脈/漢文脈、女言葉/男言葉(ジェンダー)などさまざまな問題を孕む言文一致運動の発生と展開を、その背景に存在した近代化思想との関連で分析・考察し、「文体《を時代の精神史・イデオロギーと緊密に関わる現象として理解することが、本授業の目的である。
<講義内容>
1.序
2.洋学者の著訳書における新文体意識
3.前島密
4.福沢諭吉
5.雑誌上の言文一致観
6.大新聞紙上の文章改良論
7.開化啓蒙書の文体
<講義目的>◇テキスト:
明治期に起きた言文一致運動は現代日本語の文体を決定した画期的なできごとであったが、それは当時の知識人たちの文明化・近代化への希求と緊密に結びついていた。
江戸時代の知識人にとって書き言葉と話し言葉の乖離は歴然たるものであった。しかし江戸末期に至ると、戯作や人情本など大衆向けの小説に話し言葉を大きく採り入れる傾向が強まり、とりわけ女性読者を当て込んだ人情本は会話による分かり易いストーリー展開を多用したため、書かれた言葉のなかに話し言葉、女言葉が大量に流れ込むという興味深い現象も生んだ。したがって、明治初頭の書き言葉には、漢学の素養をもつ知識人の漢文訓読体、江戸大衆小説の口語がまじった戯作文体、そして国学系統の知識人や和歌塾に学んだ人々の雅文体などが並存していた。このような混沌とした状況にあって、漢学的素養をもち、戯作小説にも親しみながら、洋学的な開化を目した知識人のなかに、口語体との距離が比較的小さい西欧語の書き言葉に倣って国語を改良しようとする趨勢が高まったのである。
このように、和文脈/漢文脈、女言葉/男言葉(ジェンダー)などさまざまな問題を孕む言文一致運動の発生と展開を、その背景に存在した近代化思想との関連で分析・考察し、「文体《を時代の精神史・イデオロギーと緊密に関わる現象として理解することが、本授業の目的である。
<講義内容>
1.序
2.明治初年小学校教科書の文体
3.小新聞の文体
4.啓蒙雑誌の文体
5.椊木枝盛の談話体
6.政党小新聞の文体
7.「かなのくわい《と言文一致
<講義目的>◇テキスト:
「能《に対する知識を深め、日本文化の理解へと結び付け、将来日本文化の一端を紹介出来る能力を養成
<講義内容>
1. オリエンテーション
2. 能・狂言の歴史と作者(1)
3. 能・狂言の歴史と作者(2)
4. 能・狂言の種類
5. 能芸論の紹介
6. 能を紹介したビデオの鑑賞(1)
7. 能を紹介したビデオの鑑賞(2)
8. 教育劇と能の演出上の類似点と相違点(1)
9. 教育劇と能の演出上の類似点と相違点(2)
10. 謡曲『鉢の木』、『景清』の解釈
11. 謡曲『竹の雪』、『谷行』の解釈
12. 謡曲『谷行』のビデオの鑑賞
13. ブレヒトの『イエスマン・ノーマン』の解釈と『谷行』との比較(1)
14. ブレヒトの『イエスマン・ノーマン』の解釈と『谷行』との比較(2)
15. 学生の発表
<講義目的>◇テキスト:
「能《に対する知識を深め、日本文化の理解へと結び付け、将来日本文化の一端を紹介出来る能力を養成
<講義内容>
1. アーサー・ウェイリーの翻訳の問題点
2. 『イエスマン・ノーマン』の教育的メインテーマ
3. 日本の封建社会におけるイデオロギー(倫理及び宗教)
4. 資本主義社会のイデオロギー
5. 1930年代のドイツ社会における保守主義の台頭
6. ドキュメンタリー映画の鑑賞(1)
7. ドキュメンタリー映画の鑑賞(2)
8. ブレヒトのその他の教育劇
9. 叙事的演劇『屠殺場の聖ヨハンナ』
10. 世阿弥の美学(花の理論)(1)
11. 世阿弥の美学(花の理論)(2)
12. 演出上の技法(「序破急《、「陰陽道《等
13. 教育劇と能の主題の相違点
14. 学生の発表 1
15. 学生の発表 2
<講義目的>◇教科書:
「国語《は、明治時代に近代国民国家を形成するために人工的に作り出された日本語である。その言語を用いることで、小説という新しいジャンルが開拓されていき、日本人という虚構的なエスニシティを保持していくのに利用されてきた。国語教科書に小説が掲載されたのは道徳教育のためであったといってよい。この講義では、そうした背景を踏まえて、指導要領改訂があっても教科書に採用され続けてきた夏目漱石の『こころ』、森鴎外の『舞姫』、井伏鱒二の『山椒魚』や中島敦の『山月記』を取り上げて、教科書という装置が斬り捨てていったこれらの作品の解釈について考えたい。
<講義内容>
1. オリエンテーション
2. 森鴎外『舞姫』を読む
3. 同上
4. 前田愛・小森陽一らの論文を読む
5. 討論
6. 夏目漱石『こころ』を読む
7. 同上
8. 様々な論文を読む
9. 討論
10. 井伏鱒二『山椒魚』を読む
11. 論文を読む
12. 討論
13. 中島敦『山月記』を読む
14. 論文を読む
15. 討論
授業内容は参加人数等によって変更があり得る。
<講義目的>◇教科書:
後期は論文の書き方を学ぶ授業となる。何か一つ文学作品を選び、前期で行った作品論と同じ手法で作品論を展開し、実際にA4版で15頁ほどの論文に仕上げることを目標とする。
<講義内容>
1. オリエンテーション
2. テーマの選択と検討
3. 参考文献の探し方
4. 論文のテーマの再検討
5. パラグラフとは何か、論文とは何かを考える
6. アウトラインの作成
7. トピック・センテンスを考える
8. パラグラフに即してトピックセンテンスを作成する
9. アウトラインから論文へ
10. 論文執筆ルールについて:引用と注
11. 論文原稿の検討 1
12. 論文原稿の検討 2
13. 論文原稿の検討 3
14. 論文原稿の検討 4
15. 論文原稿の最終検討および提出
<講義目的>◇教科書:
古代日本の文字表記、政治制度、文芸表象などの諸事象から、古代日本と外来文化の関係を探求します。主に古代日本と古代中国の文化的交渉の諸問題を取り扱いますが、単に両国の文化の相違点を洗い出すのみならず、文化の流動、衝突、融合の過程を観察する方法を学びます。Aでは、古代の日本漢詩文の女性像について考えます。講義、参加者の発表を適宜に組み合わせて進める予定です。
<講義内容>
1. 導入
2. 文華秀麗集「艶情《部を読む(1)春閨怨
3. 文華秀麗集「艶情《部を読む(2)長門怨
4. 文華秀麗集「艶情《部を読む(3)婕妤怨
5. 文華秀麗集「楽府《部を読む(4)王昭君
6. 紀長谷雄の「貧女吟《を読む
7.「玉造小町子壮衰書《を読む
8. 纏め
<講義目的>◇教科書:
古代日本の文字表記、政治制度、文芸表象などの諸事象から、古代日本と外来文化の関係を探求します。主に古代日本と古代中国の文化的交渉の諸問題を取り扱いますが、単に両国の文化の相違点を洗い出すのみならず、文化の流動、衝突、融合の過程を観察する方法を学びます。Bでは、平安文学の女性像について考えます。講義、参加者の発表を適宜に組み合わせて進める予定です。
<講義内容>
1. 導入
2. 竹取物語のかぐや姫
3. 宇津保物語の俊蔭女
4. 落窪物語の落窪君
5. 源氏物語の女性(1)桐壺更衣
6. 源氏物語の女性(2)紫の上
7. 源氏物語の女性(3)浮舟
8. 纏め
<講義目的>◇教科書:
椊民地時代から現在までの在日朝鮮人(朝鮮半島にルーツを持つ人々 の総称)作家の作品を読みながら、日本と朝鮮半島のはざまで独自の文 化を築いてきた彼らの存在について理解を深める。
今学期は、金史良と李箱を取りあげ、椊民地下の朝鮮人の日本語によ る創作活動の意味や背景を考える。彼らが宗主国の言語(国語=日本 語)とどのように向き合い、創作に取り組んだのか。作品を読み進めな がら、椊民地的な状況とは何か、また戦後の在日朝鮮人文学の前史とな る椊民地期の日本語文学について理解を深めるのがこの授業のねらいで ある。
<講義内容>
1.オリエンテーション 2.川村湊『<酔いどれ船>の青春』の問題提起
3.金史良と李箱が生きた時代
4.金史良「草深し《を読む(1)
5.金史良「草深し《を読む(2)
6.金史良の日本語文学と内鮮一体
7.田中英光「酔いどれ船《と金史良「天馬《
8.金史良「天馬《を読む(1)
9.金史良「天馬《を読む(2)
10.金史良「天馬《を読む(3)
11. 椊民地「国語作家《の内面
12.李箱の描く「京城《
13.李箱「翼《を読む(1)
14.李箱「翼《を読む(2)
15.まとめ
<講義目的>◇教科書:
椊民地時代から現在までの在日朝鮮人(朝鮮半島にルーツを持つ人々 の総称)作家の作品を読みながら、日本と朝鮮半島のはざまで独自の文 化を築いてきた彼らの存在について理解を深める。
今学期は、戦後の大阪で在日朝鮮人の詩のサークルを立ち上げ、機関 誌『ヂンダレ』『カリオン』を発行し、現在も旺盛な詩作を続ける金時 鐘と、そのサークルの同人でやがて小説家として旺盛な活動を続ける梁 石日を取り上げる。朝鮮総連参加の組織活動のなかで金時鐘はなぜ日本 語での創作活動にこだわったのか、また梁石日の創作活動の原点となっ た詩とはどのようなものであり、その後の小説とどのようにつながって いるのか、戦後の在日朝鮮人文学の原点である大阪「猪飼野《に注目し ながら、在日朝鮮人社会の生成とその変化についても理解を深めるのが この授業のねらいである。
なお、授業期間中に大阪へのフィールド・トリップ(日帰り)も計画 しているので、積極的に参加してほしい。
<講義内容>
1.オリエンテーション
2.大阪「猪飼野《と「猪飼野《の作家たち
3.NHK「心の時代 詩を生きる心・金時鐘《を見る
4.金時鐘『「在日《のはざまで』を読む(1)
5.金時鐘『「在日《のはざまで』を読む(2)
6.金時鐘『わが生と詩』を読む
7.済州島「四・三事件《と金時鐘
8.戦後サークル詩運動と金時鐘
9.復刻版『ヂンダレ・カリオン』を読む(1)
10.復刻版『ヂンダレ・カリオン』を読む(2)
11.梁石日と金時鐘の出会い
12.NHK「知るを楽しむ 梁石日“血”の咆哮《を見る(1)
13.NHK「知るを楽しむ 梁石日“血”の咆哮《を見る(2)
14.梁石日『夢魔の彼方へ』を読む
15.まとめ
<講義目的>◇教科書:
室町時代後半の食文化が江戸文化の成立に与えた影響を考察
<講義内容>
フランス国立図書館が所蔵するお伽草子の『酒飯論』絵巻の図像を中心に、描かれた椊物、食物が室町文化とどうかかわっていたのかを明らかにし、その文化がどのように江戸時代に影響を与えたのかを考察する。また、文化研究のために必要な方法論を授業の中で学ぶことも目的とする。具体的には、一条兼良、二条良基などの連歌師が連歌の主題として読んだ椊物、明時代の『宋氏尊生』に記される椊物などと『酒飯論』絵巻の椊物を対照しながら、その特異性を明らかにしたい。また、『大草殿より相伝之聞書』、『包丁聞書』、『四条流包丁書』などの料理書も参考に使用し、
1.室町時代の野菜や椊物などの生産物の特定化
2.室町時代の食文化
3.椊物と連歌
4.江戸文化への継承
などに区分し、この絵巻の特徴を総合的に分析する。
<講義目的>◇教科書:
『鼠の草子』絵巻を中心として、動物の擬人化が起こった理由について考察を行う。
<講義内容>
神の依り代としての動椊物の擬人化は古代から例があるが、輪廻思想の普及とともに、院政期以降、人間と動物、椊物の共生思想と絡んで擬人化がより複雑化し、構造上にも変化が起きる。そして、室町期に特に盛んになる草木国土悉皆成仏思想の影響からか、やがて人間界、動物界、椊物界と表現することも可能な想像上の世界を物語の中で誕生させる。その中では、動物は人間と同じように、恋に苦しみ、死を恐れ、浄土を願うのである。この授業では、『鼠の草子』絵巻を中心にその内容の分析を行った上で、そのような世界観がどのように誕生して行ったのか、そのメカニズムの一端を明らかにすることを目的とする。具体的には、
1.動物が擬人化されている例をお伽草子の中から探し、擬人化されている動物を特定化
2.今昔物語集の擬人化例の分類
3.草木国土失火成仏思想の中国、日本における発展史
などを授業中に行いながら、室町時代の動物の擬人化の特徴を探る。
<講義目的>◇教科書:
認知言語学の基本的な考え方を学び、研究方法を身につけることを目指す。特に、言語の基盤となる諸々の認知能力を検討し、体系化を目指す。
<講義内容>
1. 認知言語学の基礎
(1)認知言語学の基本的な考え方
(2)認知言語学の位置付け:他の言語理論との共通点・相違点
2. 言語の基盤としての認知能力の諸相
(1)基本的な認知能力:比較・一般化・関連付け
(2)カテゴリー化と認知能力
(3)事態の捉え方(construal)
(4)比喩と認知能力
(5)参照点能力
(6)主体化(subjectification)
<授業形式>
1.講義
2. 文献講読(日本語および英語で書かれたもの)
<講義目的>◇教科書:
1.「現代日本語学概論a《で学んだ認知言語学の基本的な考え方、分析方法を踏まえて、各自、現代日本語の何らかの言語表現を分析する。
2.認知言語学の「経験基盤主義《の考え方について学ぶ。
<講義内容>
1. 受講者の発表とディスカッション
認知言語学の考え方に基づく、受講者による現代日本語の分析の発表とそれに基づくディスカッション(「現代日本語学概論a《を受講し、レポートを提出した者は、その内容を発表すればよい)
2. 「経験基盤主義《の諸相
(1)「経験基盤主義《の基礎
(2)意味と領域(domain)
(3)ベースとプロファイル
(4)フレーム/理想化認知モデル
(5)使用依拠モデル(Usage-based Model)
<授業形式>
1.受講者の発表・ディスカッション
2. 講義
3. 文献講読(日本語および英語で書かれたもの)
<講義目的>◇教科書:
様々な言語を母語とする日本語学習者の音声上の特徴が分節音レベ ルで分析できるようになるための知識と運用力の養成をめざす。その上で、音声 教育についてカリキュラムデザインの可能性について考察していく。前期は、単 音レベルから音声学的に考察することで、いろいろな言語を母語とする日本語学 習者の音声上の問題点を分析し、国際音声字母による表記練習を行う。最終レポ ートとして、単音レベルの音声をいろいろな言語を母語とする日本語学習者につ いて分析する課題を課す。
<講義内容>
1-2.総論
3.音声教育の必要性
4-8. 分節的特徴 1)破裂音 2)破擦音 3)摩擦音 4)接近音 5)鼻音 6)ふるえ音 7)弾音 8)その他の調音
9. 音声表記について
10-15.様々な学習者の音声分析
<講義目的>◇教科書:
様々な言語を母語とする日本語学習者の音声上の特徴が韻律レベル で分析できるようになるための知識と運用力の養成をめざす。その上で、音声教 育についてカリキュラムデザインの可能性について考察していく。後期は、特に、 「高さ、長さ、大きさ《のコントロールが日本語学習者の音声にどのような影響 を与えているのかを、実例をもとに分析し、音声教育の可能性について議論する。 最終レポートは、学習者の韻律上の特徴を分析する課題を課す。
<講義内容>
1-2.総論
3. 音節
4-5. リズム
6-7. アクセント
8-9. イントネーション
10-11. プロミネンス,ポーズ,その他
12-15.韻律教育について
<講義目的>◇教科書:
現代日本語の文法にかかわるトピックをいくつか取りあげ、具体例をあげながら分析・考察する。また、日本語教科書、文法解説書などで、文法項目がどのように扱われ、記述されているかを整理・検討し、日本語教育への効果的な応用、特に実用的な文法指導の方法についても論じる。
<講義内容>
1.助詞(助詞相当句)
「場所を・場所に・場所から《
「人と・人と一緒に《
「人と・人に《
「ごろ・ぐらい・ほど《等
2.話し手の気持ちを表す表現
「~と思う・~つもりだ・~予定だ《
「~しなければならない・~しなければいけない・~べきだ・~ざるを得ない・~ずにはいられない《
「~そうだ・~と言っていた・~って《等
<講義目的>◇教科書:
前期に引き続き、現代日本語の文法にかかわるトピックをいくつか取りあげ、具体例をあげながら分析・考察する。また、日本語教科書、文法解説書などで、文法項目がどのように扱われ、記述されているかを整理・検討し、日本語教育への効果的な応用、特に実用的な文法指導の方法についても論じる。
<講義内容>
1.テンス・アスペクト表現
「ておく・てみる・てしまう《
「ていく・てくる《
「てから・あと・まえ・とき《等
2.受身・使役表現
<講義目的>◇教科書:
教育評価に関する基本的な知識を身につけ,日本語教育の現場で役立つ評 価技術を獲得する。
<講義内容>
1. 日本語教育における評価の目的とテストの種類・形式
2.achievement test と proficiency test について
3.評価の基準とシラバス
4.テストの開発・改訂
5.テスト結果の記述(平均・標準偏差・偏差値etc.)
6.SP表を作る
7.相関係数の意味とその利用
8.項目分析
9.テストの信頼性と妥当性
10.テストの波及効果
11. テストとカリキュラム
12.ディスカッション
13.世界の言語評価1
14.世界の言語評価2
15.ディスカッション
<講義目的>◇教科書:
日本語教育におけるパフォーマンステストの作成・分析に関する基本的な 知識を身につけ,日本語教育の現場で役立つ評価技術を獲得する。
<講義内容>
1.話す能力の評価の理論と評価1
2.話す能力の評価の理論と評価2
3.話す能力の評価の理論と評価3
4.書く能力の評価の理論と評価1
5.書く能力の評価の理論と評価2
6.書く能力の評価の理論と評価3
7.テスト・デザインの作成1
8.テスト・デザインの作成2
9.テストの作成
10.テストの実施1
11.テストの実施2
12.テスト結果の分析1
13. テスト結果の分析2
14.テスト結果の分析発表
15.ディスカッション
<講義目的>◇教科書:
コンピュータ支援日本語学習教材の評価、分析及びマルチメディア教材開発
<講義内容>
1.授業の説明
2.CALL教材の評価1
3.CALL教材の評価2
4.CALL教材を基にした教案作り
5.動画の内容についてディスカッション
6.動画のスクリプトの作成1
7.動画のスクリプトの作成2
8.動画の絵コンテの作成
9.動画の絵コンテの作成、撮影の準備
10.撮影
11.編集1
12.編集2
13.編集3
14.編集4
15.発表と評価
<講義目的>◇教科書:
WWWとパワーポイントを利用したコンピュータ支援日本語学習教材の開発
<講義内容>
1.WWWによる教材作成1
2.WWWによる教材作成2
3.WWWによる教材作成3
4.WWWによる教材作成4
5.WWWによる教材作成 発表と評価
6.パワーポイントによる教材作成1
7.パワーポイントによる教材作成2
8.マルチメディア教材作成(音声)
9.パワーポイントによる教材作成3
10.パワーポイントによる教材作成4
11.パワーポイントによる教材作成 発表と評価
12.プロジェクト1
13.プロジェクト2
14.プロジェクト3
15.プロジェクト発表
<講義目的>◇教科書:
言語教育の到達目標となる構成概念を第二言語の習得過程に基づいた認知的アプローチと社会構成主義に基づいた社会文化的アプローチの観点から整理し理解する。
<講義内容>
1.オリエンテーション
2.言語教育のパラダイムシフト1
3.言語教育のパラダイムシフト2
4.能力観1 コミュニケーション能力1
5.能力観1 コミュニケーション能力2
6.能力観2 コミュニケーション能力1
7.能力観2 コミュニケーション能力2
8.中間試験とフィードバック
9.能力観3 インターラクション能力1
10.能力観3 インターラクション能力2
11.学習ストラテジー1
12.学習ストラテジー2
13.学習者オートノミーについて1
14.学習者オートノミーについて2
15.期末試験とフィードバック
<講義目的>◇教科書:
第二言語教育方法論を検討する際の基礎となる学習観を第二言語の習得過程に基づいた認知的アプローチと社会構成主義に基づいた社会文化的アプローチの観点から整理し理解する。
<講義内容>
1.オリエンテーション
2.学習ストラテジー・信念の調査方法・模擬調査項目検討1
3.学習ストラテジー・信念の調査方法・模擬調査項目検討2
4.学習ストラテジー・信念の模擬調査の実施
5.学習ストラテジー・信念の模擬調査結果の検討
6.ストラテジートレーニングの方法検討1
7.ストラテジートレーニングの方法検討2
8.中間試験とフィードバック
9.会話・文章産出のプロセスモデルについて1
10.会話・文章産出のプロセスモデルについて2
11.言語運用能力の養成を目的としたコースデザイン、シラバスデザイン、カリキュラムデザイン、授業実施方法の検討1
12.言語運用能力の養成を目的としたコースデザイン、シラバスデザイン、カリキュラムデザイン、授業実施方法の検討2
13.言語運用能力の養成を目的としたコースデザイン、シラバスデザイン、カリキュラムデザイン、授業実施方法の検討3
14.言語運用能力の養成を目的としたコースデザイン、シラバスデザイン、カリキュラムデザイン、授業実施方法の検討4
15.期末試験とフィードバック
<講義目的>◇教科書:
教育工学的な見方・考え方を日本語教育に取り入れるための科目である。日本語教師が授業の中で主体的に教育メディアを活用するための基礎知識を学ぶ。
<講義内容>
授業の前半で講義形式による教育工学の最新の理論を紹介し、後半でその理論を活かした各種教育用情報メディア(以下、教育メディア)の活用演習を行う。以下の各回の内容について、左側が取り上げる教育工学の理論、右側がそれに関連する教育メディアの活用演習である。なお、以下の予定は、受講者のスキルや要望に応じて変更する可能性がある。
1. オリエンテーション(教育工学とは何か)
2. 情報メディアの信頼性と批判的思考 (1) - インターネットによる教材の収集
3. 情報メディアの信頼性と批判的思考 (2) - インターネットによる教材の収集
4. 行動主義と認知主義による学習理論 (1) - Adobe Flashを用いたドリルの作成
5. 行動主義と認知主義による学習理論 (2) - Adobe Flashを用いたドリルの作成
6. 行動主義と認知主義による学習理論 (3) - Adobe Flashを用いたドリルの作成
7. 社会構成主義の理論と状況的学習 (1) - e-ラーニング(BBS)を用いた議論
8. 社会構成主義の理論と状況的学習 (2) - e-ラーニング(BBS)を用いた議論
9. 社会構成主義の理論と状況的学習 (3) - e-ラーニング(BBS)を用いた議論
10. マルチメディアの効果 (1) - Adobe Flashを用いたドリルの作成
11. マルチメディアの効果 (2) - Adobe Flashを用いたドリルの作成
12. マルチメディアの効果 (3) - Adobe Flashを用いたドリルの作成
13. マルチメディアの効果 (4) - Adobe Flashを用いたドリルの作成
14. マルチメディアの効果 (5) - Adobe Flashを用いたドリルの作成
15. 試験(作成教材の発表会)
<講義目的>◇教科書:
教育工学的な見方・考え方を日本語教育に取り入れるための科目である。日本語教師が授業の中で主体的に各種教育用情報メディア(以下、教育メディア)を活用するための基礎知識を学ぶ。
<講義内容>
授業の前半で講義形式による教育工学の最新の理論を紹介し、後半でその理論を活かした教育メディアの活用演習を行う。以下の各回の内容について、左側が取り上げる教育工学の理論、右側がそれに関連する教育メディアの活用演習である。なお、以下の予定は、受講者のスキルや要望に応じて変更する可能性がある。
1. オリエンテーション(復習等)
2. 社会構成主義の理論と状況的学習 (1) - ネットコミュニケーションを通じた議論
3. 社会構成主義の理論と状況的学習 (2) - ネットコミュニケーションを通じた議論
4. 社会構成主義の理論と状況的学習 (3) - ネットコミュニケーションを通じた議論
5. 存在感(social presence)の理論と動機づけ (1) - e-ラーニング(オンラインコース)のデザイン
6. 存在感の理論と動機づけ (2) - e-ラーニングのデザイン
7. 存在感の理論と動機づけ (3) - e-ラーニングのデザイン
8. 視聴覚メディアの効果 (1) - 電子黒板を用いた模擬授業
9. 視聴覚メディアの効果 (2) - 電子黒板を用いた模擬授業
10. 視聴覚メディアの効果 (3) - 電子黒板を用いた模擬授業
11. 視聴覚メディアの効果 (4) - 電子黒板を用いた模擬授業
12. デザインベースの研究方法論(design-based research) (1) - 動画分析ソフトCIAOを用いた授業の分析
13. デザインベースの研究方法論 (2) - 動画分析ソフトCIAOを用いた授業の分析
14. デザインベースの研究方法論 (3) - 動画分析ソフトCIAOを用いた授業の分析
15. 試験(成果発表会)
<講義目的>◇教科書:
日本の文化、特に芸術や文学などについて、比較文化の観点も交えて考える。今回は、古典とは何かを考えることを目的とする。
<講義内容>
1.オリエンテーション
2.紫式部『源氏物語』(「帚木巻《)を読む その1(胡)
3.紫式部『源氏物語』(「帚木巻《)を読む その2(胡)
『源氏物語』の帚木巻に「雨夜の品定め《という有吊な部分がある。五月雨の降り続く夏の夜、物忌みで宮中の宿直所に籠もっている源氏のもとへ頭中将が訪れる。いつしか話題は女性論になっていたが、そこへさらに左馬頭、藤式部丞も加わり、雨夜の女性談義が繰り広げられる。嫉妬する女、浮気する女、内気な女、才気走った女など、様々な経験談が披露される。忘れてはならないのは、この男性達の女性談義は、紫式部という女性によって書かかれたものだということである。そこから何が読み取れるのか楽しみである。教科書は使用しないが、事前にプリントを配布するので、読んでおくこと。
参考文献:山岸徳平・岡一男監修 『源氏物語講座第五巻 思想と背景』(有精堂:1971年)
4.世阿弥の能芸論 その1(大庭)
5.世阿弥の能芸論 その2(大庭)
日本の古典芸能である「能《の大成者「世阿弥《は、一生を通じて演能における「美《を追求した人物である。彼は「能《における「美《を「花《あるいは「幽玄《などという言葉で表現する。それではいったいその「花《あるいは「幽玄《を世阿弥はどのように説明し、またそれらをどのように観客に伝えようとしたのか、などを世阿弥の能芸論を読むことで考察する。具体的には、『風姿花伝』・『花鏡』・『拾玉得花』の中から、「陰陽《・「序破急《・「秘する花《・「目前心後《などのキーワードで論を進めていく。また時間に余裕があれば、ビデオで能の作品を鑑賞する。教科書は使用しないが、事前にプリントを配布するので、読んでおくこと。また下記に挙げた参考文献を使ってシラバスに出てくるキーワードに関して調べておくことが望ましい。
参考文献:伊地知鐵男・表章・栗山理一校注・訳者:『連歌論集・能楽論集・俳論集』(『日本古典文学全集 51』)小学館、1989年
6.世阿弥『風姿花伝』を精読する その1(柴田)
7.世阿弥『風姿花伝』を精読する その2(柴田)
芸論の古典中の古典である世阿弥の『風姿花伝』を読み解きながら、日本の芸能の修練のあり方について検討する。一般にもよく知られた「時分の花《と「誠の花《との対比もここに登場してくる。なお、伝記的背景につては、参考文献(1)『秘花』が、また、さらに発展させた考察については参考文献(2)『世阿弥の稽古哲学』が参考になる。教科書として、世阿弥『風姿花伝』(岩波文庫)を用いるので、購入することが望ましい。
参考文献:(1)瀬戸内寂聴『秘花』(新潮文庫)(2)西平 直『世阿弥の稽古哲学』(東大出版会)
8.正岡子規『病牀六尺』(びょうしょうろくしゃく)を読む その1(福田)
9.正岡子規『病牀六尺』(びょうしょうろくしゃく)を読む その2(福田)
明治の俳人正岡子規(1867*1902)は、江戸時代以来の俳句の伝統に新風を吹き込んだ人物である。上治の病(結核)に冒されながら、写生俳句を唱え、静物の写生を好んだ。死の年の4ヶ月をかけて新聞に連載した随筆集が、標記の書籍である。死の床にあっても尽きることのない旺盛な好奇心は、世を斜めに見ながら、楽しみ、嘆き、時に憤慨する。その尽きせぬ思いから、病と世相を読み解いてみる試みである。教科書は使用しないが、事前にプリントを配布するので、読んでおくこと。
参考文献:(1)福田眞人『結核の文化史』吊古屋大学出版会 (2)福田眞人『結核という文化』中央公論社
10.福沢諭吉『学問のすゝめ』その1(前野)
11.福沢諭吉『学問のすゝめ』その2(前野)
福沢諭吉は明治の啓蒙思想家として広く知られているが、彼が明治5年から9年にかけて執筆した同書は、その多くの著作のなかでもとくに若い読者に向けて書かれた発奮の書として吊高い。政府の教育方針もまだ定まっていなかったこの時代には、この書が初等教育の教科書として用いられることも多かった。しかし、本書は単なる啓蒙書ではなく、当時の日本がかかえていた近代化の諸問題に数多く言及している点で、非常に重要な意味をもっている。本書を読み進めながら、それらの諸問題について解説し、テクストのより幅広い理解をめざしたい。教科書として、『学問のすゝめ』(岩波文庫)を用いるので、所持していない受講者は前もって購入し一読しておくことが望ましい。
12.芥川龍之介『羅生門』を読む その1(渡辺)
13.芥川龍之介『羅生門』を読む その2(渡辺)
従来高校の国語教科書に採用されている文学作品は、ほぼ同じ顔ぶれであったが、現在は新しい文学作品も見受けられる。その中で採用率が100%となったのは、現在芥川龍之介の『羅生門』だけである。この作品を精読し、参考文献を読むことで、何故この作品の採用率がこのように高いのかを考えてみたい。最初の授業で『羅生門』を精読し、二回目の授業でいくつかの論文を読んだうえで討論を行う予定である。テクストとして、青空文庫の「羅生門《(http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/card128.html)を用いるので、各自青空文庫からダウンロードすること。
参考資料:(1)志村有宏編『芥川龍之介『羅生門』作品論集』(クレス出版:2000年)(2) 神川仁著『【新解釈】羅生門』(文芸社:2007年)
14.安部公房『砂の女』を読む その1(涌井)
15.安部公房『砂の女』を読む その2(涌井)
安部公房の作品は難解なものが多いのですが、『砂の女』は比較的に読みやすく入門に最適な作品であると同時に、完成度も高く、彼の代表作と言っていい作品です。安倊自身が台本を書いた映画もよくできた吊作です。授業は討論形式で作品の精読を行います。テーマ、言語表現、作品構造、などを細かく見ていきます。補助教材はプリントで配布します。授業までに作品を読んでおいてください。
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