04講義題目 東アジア言語文化講座
各教員の研究テーマ


柳沢民雄
  旧ソ連邦(特にカフカース地域と東シベリア地域)の諸言語を中心に言語の類型を研究している。これと平行して旧ソ連時代に独自の発展を遂げたロシアの言語類型理論も研究している。これは欧米の言語類型論とは異なる、思考と言語の関係についての研究から発達してきた内容的類型論である。また、バルト諸語とスラヴ諸語のアクセント法の歴史比較研究も行っている。

楊暁文
 中国近現代の文学と芸術がどのように形成され、確立したのかを、文学者・画家・翻訳家である豊子ト(1898〜1975)の研究を通して明らかにしようとしている。また、豊と周作人の関係という角度から1920年代の「文学研究会」等を研究し、豊がその代表的作家の一人とみなされる30年代の「論語派」や豊に批判的態度をとる「左連」をも視野に入れる。同時に中華人民共和国成立後のサブカルチャー、とくに「文革」後のそれに関心があり、近年、非中国語環境下における、世界的な規模の「華文文学」の研究に取り組んでいる。

丸尾 誠
 言語研究において、複雑な言語事象の解明に人間の認知のプロセスという観点からアプローチすることの有効性が現在では広く認められている。こうした方面での研究成果をも踏まえつつ、現代中国語にみられる各種表現・文法事項について、構造・意味・運用などの側面から複眼的に分析していくことを研究課題としている。とりわけ、人間の認識・発想との関連で興味深い事象が多くみられる移動動詞の用法および空間表現を中心に考察を行っているものの、広く中国語の動詞全般の用法についても、一貫して関心を抱いている。

勝川裕子
 言語の表現形式はその言語を使用する民族集団の事象、現象、心象に対する認識を反映している。現代中国語において、時間、空間、数量、領属などといった文法範疇がどのように認識され、どのように言語化されるかについて統語的、意味的側面から考察している。  現在は特に中国語話者の領属に対するプロトタイプ効果を明らかにすることを研究課題としている。また、他言語と比較対照することにより、上記文法範疇における中国語表現の特徴を抽出してゆきたい。

宇都木 昭
 韓国・朝鮮語と日本語の音声学・音韻論を研究している。とりわけ,アクセントやイントネーションをはじめとした韻律を主たる研究テーマとしており,目的に応じてフィールドでのデータ収集,音響分析,知覚実験などのアプローチを取り入れつつ,教育と理論の両面での貢献を目指している。これまでにソウル方言,慶尚道方言,茨城方言を扱ってきた。