|
過去の講演会記録
演題;「狡猾から純真へー近世近代フランスの子ども向け読み物における子ども像の変遷?」
講師:愛知県立大学外国語学部 教授 天野知恵子
日時:9月30日(土)15:30〜17:00
場所:名古屋大学全学教育棟 1F 第一会議室(地下鉄名城線名古屋大学駅1番出口)
講演要旨:「赤ずきん」などの話で知られるシャルル・ペローの物語集は、17世紀末につくられたものだが、そこには、人食い鬼をだまして危地を逃れる子どもの像が描かれている。ところが18世紀後半の子ども向け読み物には、もはやそのような子どもは登場しない。当時売れ行きの良かったベルカンの子ども向け雑誌『子どもの友』にはたとえば、愛情深い親のもとで素直に純真に育つ子どもたちが描かれている。18世紀のいわゆる「子どもの発見」をさかいに、子ども向け読み物に描かれる子ども像は変化した。近代の子ども向け読み物の主役となるのは、純真な子どもたちである。話の舞台も、鬼や魔法の出てくる幻想的な世界から、平穏だが単調な日常の家庭生活に変わる。
だがフランス革命期には、子ども向け物語に新たな舞台が加わった。話を劇的にするため、政争や災害といった現実的で過酷な運命が子どもたちを待ちかまえるのである。純真ゆえに無力で、生きのびるための知恵を持ち合わせない子どもたちは、そこで悲劇的な死を遂げる。フレヴィルの『有名な子どもたちの生涯』は、そうした話を集めた物語集である。そして19世紀の子ども向け物語は、純真な子ども像を前世紀から引き継ぎながら、話の舞台は現実の社会になる。主人公の出生の秘密や、愛する者たちとの死別・離別・再会、見知らぬ地域をめぐる旅などが、話をより面白くする仕掛けとして用いられ、数々の危機を経た子どもたちを待つ幸福な結末が、物語をより穏やかにする。エクトル・マロの『家なき子』や、学校教育の場で多く使われた『二人の子どものフランス巡り』など、19世紀後半にはばひろく読まれた物語には、そうした特徴を見出すことができる。ここには近代の子ども向け読み物がたどり着いた、一つの型がある。
「中世ウェールズ伝承」
1.
演題:The Battle of Camlan: Arthur/Mordred and Native Welsh Tradition
「カムランの戦い:アーサー/モードレッドとウェールズ伝承」
(講演は英語、日本語通訳つき)
講師:Dr Ian Hughes (連合王国ウェールズ大学ウェールズ語科主任講師)
日時:平成18年6月25日(日)14:00〜16:30(受付開始13:30)
場所:慶應大学三田キャンパス・研究室棟1階 A・B会議室
2.
演題1:『マビノーギオン』と『古事記』
講師:松本 達郎氏(獨協大学名誉教授)
演題2:Medieval Welsh Narratives: Tales, Episodes, or Texts?
「中世ウェールズ伝承:説話?エピソード?それともテクストか?」
(講演は英語、日本語通訳つき)
講師:Dr Ian Hughes (連合王国ウェールズ大学ウェールズ語科主任講師)
日時:平成18年7月1日(土)13:30〜17:00(受付開始13:00)
場所:姫路獨協大学・西館5階 第3会議室
★日本ケルト学会・語りと身体研究会共催
講演者:鈴木晶 法政大学国際文化学部教授・早稲田大学大学院客員教授
日時:4月15日(土)16:00〜17:30
場所:名古屋大学全学教育棟 1F 第一会議室(地下鉄名城線名古屋大学駅1番出口)
講演内容
「くるみ割り人形」は数多い古典バレエの中でも群を抜いて人気がある、言い換えると、上演回数の多いバレエです。原作はドイツ・ロマン主義の作家E・T・A・ホフマンですが、バレエのもとになったのは、デュマによるフランス語訳です。まず原作とフランス語訳(翻案)との間にズレがあります。次いで、もちろんホフマン=デュマの小説と、マリウス・プティパによるバレエ台本との間には大きな違いがあります。さらに、1892年に初演された後、何度も改訂が繰り返され、そのたびにこの物語に対する再解釈がおこなわれています。とくに、主人公の少女をどう捉えるか、少女の体験をどう捉えるか、をめぐって、コレオグラファーたちはあれこれ新たな解釈を試みてきました。このバレエは、絵本や児童書に相当する側面をもっていますので、センダックが舞台美術を担当したプロダクションなども紹介しながら、いわば「児童文学としての『くるみ割り人形』」についてお話ししたいと思います。
講演者紹介
著書: 『踊る世紀』(新書館)
『グリム童話/ メルヘンの深層』(講談社現代新書)
『フロイト以後』(同上)
『翻訳はたのしい』(東京書籍)
論文: 「機械と舞踊/ロシア・アヴァンギャルドとバレエ」
(「ユリイカ」1983年1月号)
「思索するニジンスキー/「手記」とトルストイ主義」
(「ユリイカ」1983年11月号)
「デコールとしての頭部」("is" 31号)
「テニスをする牧神」
(「ユリイカ」1986年4月号)
その他多数
|