
忠誠のシンボル。
エンブレム9
ティルスの外衣をまとった姿であらわされた<名誉>は、立たせておきなさない。
裸の<真実>は、<名誉>の右手を握らせておきなさない。
汚れなき<愛>は、この二人の間にあらしめよ。<愛>の額は
バラ冠をいただき、ヴィーナスの子キューピッドよりも美しい。
これらのイメージで、忠誠があらわされている。忠誠を、
<名誉>が<尊重>とともに抱き、<愛>が育て、<真実>が生む。

同盟
ミラノ公爵マッシミリアーノ様へ
エンブレム10
漁船をかたどったといわれるこのキタラ−−ローマの<歌神(ミーズ)>が
自分のものだとしているこのキタラを、
どうか公爵様、お納め下さい。同盟国と新たな同盟を結ぼうとしている
このときにあって、この贈り物が、お気に召しますように。
腕のたつ人でなければ、これだけの数の弦の調子を合わせるのは難しい。
一本の弦でも調子が狂い、あるいは切れれば−−こういうことは
簡単に起こります−−この亀の甲羅の快さはまったく失われてしまい、
かの優れた音楽も馬鹿げたものになることでしょう。
そのように、イタリアの指導者たちは集まって同盟を結びかけています。
しかし、同じ心でいる気持ちがあるかぎりは、おそれることはなにもございません。
しかし、よくみかけることですが、もし誰かがはずれれば、
調和はことごとく無に帰するのです。

沈黙
エンブレム11
馬鹿者が黙っていると、賢者とはなんら変わることがない。
舌と言葉はその人の愚かさを示す印なのだ。
だから馬鹿者は指で唇を押さえさせ、沈黙の合図をさせ、
向き直らせて、エジプトのハルポクラテス神を拝ませよ。

決断は明かされるべきでない。
エンブレム12
ローマの軍団は、ダイダロスが不明な出口をもつ暗黒のクレタ迷宮に
囲っておいた怪物の図像を、戦闘を行うとき
もっていく。半分人間の姿をした牡牛できらびやかに輝く
誇り高き軍旗の戒めとは、
指揮官たちが秘密裡に下した決断は隠しておかなくてならないということ。
戦略は、それを練った張本人を害するのである。

たとえ拷問にかけられてもけっして負けてはならない。
エンブレム13
アテネの防壁に雌ライオンの姿で描かれているレアイナ−−通りすがりの人なら
この名をご存じないでしょう−−は、ハルモディオスの愛人であった。
この女傑の熱烈な心を示すには、野獣の形が
ふさわしい。そういえばこの女はそんな名前をしていました。
この女は、拷問にあって自白を強制されても、誰も
裏切らなかった。イフィクラテスはこの女を舌のないものとして描いた。